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2008年11月 6日 (木)

経済成長国「NEXTイレブン」の見直しが必要では?

 BRICsブリックス:ブラジル・ロシア・インド・中国)の次に経済成長が期待できる国として、VISTAビスタ:V=ベトナム、I=インドネシア、S=南アフリカ、T=トルコ、A=アルゼンチン)が指摘されるが、この命名はBRICs経済研究所の問倉貴史氏と言われている。

 さらにポストBRICsとして、NEXTイレブンが列挙される。その11カ国には、イラン・インドネシア・エジプト・韓国・トルコ・ナイジェリア・パキスタン・バングラデシュ・フィリピン・ベトナム・メキシコが含まれる。

 VISTAとNEXTイレブンに重複して含まれる国は、heart04ベトナム・インドネシア・トルコheart04であり、これらの国の中でベトナムは、手前味噌ながら確かに注目である。ただし、ここで気づくことは、NEXTイレブンの命名者が、happy02世界最大手の投資銀行であったゴールドマン・サックスhappy02ということである。

 同社は、今回の米国発金融危機に関与し、その損失のために普通銀行に業態を転換した。経営破綻したリーマン・ブラザーズと同様に米国投資銀行ビジネスの崩壊・消滅の象徴である。このゴールドマン・サックスが2005年の経済予測レポートで、この11カ国を推奨した。

 以上の紹介は、インターネットのフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』に依拠しているが、そこでは11カ国の選定基準が統一されていないと指摘されている。確かに私見でも、たとえば韓国とベトナムが同じように経済成長すると言われても、その道筋は異なるであろうし、それらを同列に指摘することに違和感がある。

 『ウィキペディア』によれば、「唯一の共通点としては、規制緩和政策によって外資の流入が始まっていることである。これにより各国は2050年までに飛躍的にGDPを増加させると予測されている。しかし、BRICsよりも深刻な政治的不安定要素を抱えている国が多いことも事実で、それが安定成長を阻むリスクとなる恐れも指摘されている」。

 今回の世界金融危機によって、たとえば韓国ではウォンが暴落し、大きな被害を受けた。「規制緩和政策によって外資の流入」を拡大させた国が、米国発の金融危機では大きな被害を受けたと考えられる。この意味で、世界金融危機の再発防止のためには、こういった規制緩和政策に対して一定の見直しが提案されても不思議でない状況である。

 さらに各国の経済成長性を考えるのなら、金融の規制緩和の観点ではなく、実物経済における労働力や技術の水準および特性に注目しなければならない。実物経済の発展が経済成長を意味すると私は信じてきたが、金融バブルを伴う「マネーゲーム」の拡大が最近では経済成長と認識されるのであろうか?

 以上、ゴールドマン・サックスによるNEXTイレブンの指摘は、同社の投資銀行撤退に伴って消滅したとみなしてもよいのではないか? さらに言えば、同社自身の投資ビジネス促進のために11カ国が提起されたのではないか? 自らが「バブル」を発生させて、それを世界中に拡散し、その利益を享受する。その後のバブル崩壊によってより大きな損害を自らも受ける。

 企業経営は自己責任であるから、このような自業自得は当然である。さらに問題点を言えば、ゴールドマン・サックスを始めとする投資銀行は、バブル崩壊に一般投資家を巻き込んだ加害者責任があるとも言えるのではないか? 今後の世界金融危機の検証によって、歴史の教訓が導かれることを期待したい。

 なお昨日、11月5日に米国大統領に民主党オバマ氏が選出された。規制緩和を推進した共和党の規制緩和の経済政策の変更が推進されると予想される。

 以上、「NEXTイレブン」の国々に責任はない。その命名のように成長することに異論はない。ここでの問題は、その命名者の意図と責任である。

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