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2008年11月 4日 (火)

パナソニックが三洋電機を子会社化:ベトナムでの影響

 三洋電機がパナソニックによって株式取得され、来春には子会社化されるという。11月1日の報道である。この両社ともにベトナムで生産し、ベトナム国内市場で販売している。私見では、両社の統合はベトナムで大きなメリットがあると思われる。

 白物家電(冷蔵庫・洗濯機)については、サンヨーがホーチミン市近郊のドンナイ省のビエンホア工業団地、パナソニックがハノイのタンロン工業団地で生産・販売している。サンヨーは操業開始して10年以上が経過し、ベトナム国内での部品調達も進んでいたのに対して、後発のパナソニックでは当初CKD(完全ノックダウン)生産であった。

 両社の統合によって、白物家電が南北で生産分担することができると思われる。納入部品会社の共有化ができるかもしれない。これは生産の効率化を可能にする。ただしサンヨーはベトナムにおける白物の市場占有率の第1位を維持してきた。そのブランド名はベトナム人に親しまれている。この意味で、白物家電については「サンヨー」のブランドをベトナムで維持することが望ましいのではないか? 「サンヨー」のブランド価値は、少なくともベトナムでは「パナソニック」に優るとも劣っていない。

 パナソニックの在ベトナム工場は合計4社であるが、ホーチミン市におけるテレビなどのAV生産会社を除く3社はハノイに立地している。これに対してサンヨーの工場はホーチミン市である。これらの工場の最適な生産分業が今後の課題となるであろう。それによって、ベトナムにおける「総合デジタル家電メーカー」としての地位を確立することが可能になるかもしれない。

 ただし問題は、日本本社の統合の影響は、ベトナムだけに限定されないことである。アジアそして世界における両社の生産分業体制の全体的な見直しが必要とされる。そうなれば、以上で指摘したベトナムの生産・販売の位置づけも影響を受ける。

 新聞報道によれば、三洋電機の太陽発電や電池技術にパナソニックが魅力を感じたことが子会社化の理由であった。私見では、この見解は技術問題に偏重している。両社の統合に伴うグローバル戦略の再編成は、間違いなく世界規模の生産・販売体制の効率化が意図されるであろう。それに伴って、いわゆる「リストラ:事業再構築」(工場・販売会社の統廃合とその従業員数の削減)が発生することも想定しなければならない。

 世界同時株安の今こそ、こういった株式取得を通した業界再編は好機となる。私見では、パナソニックと三洋電機のような日本本社の間だけではなく、海外の子会社間における株式取得による業界再編が進行することが予想される。それはベトナムなど新興国でも例外ではない。たとえばパナソニックとサンヨーでベトナムで重複する工場や生産設備が他社に売却されてもよいし、それが法制度上は問題ない。

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