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2008年10月16日 (木)

ベトナム経済について2つの記事(2):株式市場における3つの懸念材料

 最近のベトナムに関する次の記事も興味深い。『日本経済新聞』「点検アジア・新興国株」で「ベトナム株、不安定な展開 金融危機への警戒感強く」(2008年10月14日)と指摘されている。

 世界同時株安の影響を受けて、ホーチミン市証券取引所のVN指数が、本年最安値366.02(6月20日)の水準に近づいた。今後の見通して、記事では次の3点の懸念材料を列挙している。

 第1に、「米国発の金融危機への警戒感が強い中で、投資家の間で「調整期を迎えているベトナム経済も深刻な打撃を受けるのではないか」との不安が根強い」。

 第2に、「ベトナム国家銀行(中央銀行)は商業銀行に払う準備預金の利息を増やし、流動性の確保に動き出している。ただ、最も効果が大きいとされる政策金利の変更には踏み切らない見通し」である。「消費者物価指数(CPI)が前年比で高止まりし、インフレ懸念がぬぐい去れないためだ」。

 第3に、「利下げというカンフル剤が期待できない中、十月はファンドを組成している海外の機関投資家が解約に備えて株式の換金売りを進めているもよう」である。

 以上の材料のために「大きなマイナス材料がない中でベトナム株が下がる原因の一つになって」おり、「今後は「370近辺で二番底を探る展開になる」(大手証券)との見方もある」と述べられている。

 第1について、これは心理的な要因である。アメリカ経済の停滞は、対米輸出の減少といった成長のマイナス要因をもたらす。しかしベトナム政府の「全方位外交の成果」と言うべきか、ベトナムの輸出は全方位である。マイナスの影響は小さいと見なされうる。
 ただし、世界経済の同時不況という状況が生まれれば、その影響はベトナムにも及ぶ。その場合、ベトナムは内需拡大に重点を移して経済成長を維持するであろう。

 第2について、的確な政策と見なされる。インフレ抑制は政府の最優先課題ということは以前から公表されていた。そうでなければ、国民の不満が拡大するからである。長期的に見て高金利政策は継続はしないから、株価上昇の政策手段として利下げカード」は温存されている。

 第3は、新たな投資ファンドの買いが、こういった換金売りを吸収すると考えられる。現在の株価水準は間違いなく底値に近いわけで、明らかに買い局面である。

 このように考えれば、以上の3つの懸念材料について懸念する必要は余りないことになる。より深刻なベトナム経済の問題点は、この記事にあるようなアメリカ発の経済危機という外部要因ではなく、内部要因にある。それは何か? (以下、続く)

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