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2008年10月17日 (金)

ベトナム経済について2つの記事(3):真の懸念材料は何か?

 私見では、happy02ベトナム経済の真の懸念材料は、ベトナム国内の銀行破綻の危機であるhappy02ハノイやホーチミン市の不動産開発・不動産投資の資金が、銀行融資でまかなわれてきたのである。これはベトナム人の複数の消息筋からの情報でもある。

 昨年からのベトナム株価下落の原因が、株式投資の資金が不動産投資に移ったと指摘した。これは事実であって、その当時の不動産価格の上昇は2倍・3倍が当たり前であった。これは、今から思うと明らかにバブルであった。

 実需が伴わない加熱した不動産市場はマネーゲーム化しており、そのバブルは早晩に崩壊することが必然であった。こういった不動産価格の下落は、銀行にとって不良債権となる。これは1990年代の日本が経験したことを想起させる。そして、その不動産融資が証券化され、さらに融資が過熱し、その結果バブルが崩壊した今回のアメリカ経済危機は、より深刻と言わざるをえない。

 ベトナム政府は、株式投資を目的とした銀行融資を制限したが、不動産投資について放任したのではないかと思われる。たとえば日本の不動産融資では「居住証明」の提出が融資条件になっていることが多々ある。こうした政策をベトナムも採用できたのであろうが、それを実施できなかった。それを調査する公的機関の職員が不足し、また実施できたとしても、贈収賄が日常化している現状がある。

 もっとも、こういった銀行の不良債権処理は、外国企業にとって新たなビジネスチャンスである。しかし株式市場にとっては、この不良債権の処理に失敗した銀行の破綻が懸念材料となる。これから年末にかけて、これら銀行や不動産関係企業の業績悪化の情報が開示されるようになると、さらなる株価下落もありうる。

 以上、ベトナム株式市場における本格的な株価反騰は、年末以降の新年およびテト(旧正月)休暇明けからであろう。今後の株式投資方針は、現在は高金利の銀行預金で現金を寝かせておいて、来年以降の株価上昇局面に備えて優良株を適時仕込むことである。

 ただし当然ながら、この預金先の銀行が破綻するとweep悲惨weepである。ベトナムの預金保護は数千ドルに過ぎない。個人投資家のベトナム情報収集力には限界がある。これまでに紹介してきたロータス社などの投資運用会社に資金を委託することが無難であろう。

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