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2008年10月11日 (土)

ロータス投資運用会社提供「ベトナム経済ニュース(21)」:9月の株価レポート

 最近、ベトナムのことを書いていないが、それはベトナムのことを忘れているのではなく、ベトナムのことで仕事が込み入って簡単に書けないからである。

 今週のベトナム株価指数は、本年6月の近年の最低水準に近くまで下落した。世界同時株安にベトナムがつきあう必要はないと思うが、弱気の心理的要因はベトナムにも伝播している。またアメリカ経済の減退は、ベトナムの輸出に悪影響を及ぼす。これらは、ベトナムが国際化している証左である。

 さて、ベトナム現地法人であるロータス社(http://www.lotusimc.com/)の社長兼ファンドマネージャーであるタイ氏からのメッセージを以下に紹介する。彼は、客観的な業績値で証明されているが、ベトナム屈指のファンドマネージャーと言っても良い。

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 9月、VN-Indexは15.28%、539.10ポイントから456.70ポイントまで落下しました。Hastc-Indexは22.80%(192.43ポイントから148.55ポイントまで)下がりました。OTC市場も同様の下落を見せました。

 米国発の金融危機は世界中の投資業界の注目を集めています。ベトナムに対する米国金融市場の影響に関して投資家の皆さまからいくつかの問い合わせを受けましたが、弊社の見解は次の通りです。

 1.経済および企業に対する影響:米国経済は世界各国の経済に大きく影響を及ぼしているため、ベトナムの輸出にも影響を与えるでしょう(ベトナムは全方位外交を基本政策として米国のみならず世界各国に輸出しています)。また経済の各分野は相互関係があるため、この輸出減退はベトナムの他の分野にも一定の影響を与えるでしょう。

 ただし、ベトナムの金融機関は米国大手金融機関と密接な関係がないために、深刻な影響は少ないと言えるでしょう。事実、2008年9月末までの時点では、ベトナムの輸出総額は昨年同期よりも39%増加しました。この影響は、個別の投資チャンスにおいて具体的に検討されるべきであると考えております。

 2.証券市場に対する影響:インターネットを始めとする通信手段の発展によって世界の投資業界における心理的要因の伝達は拡大・加速されています。弊社の観察によると、ベトナム国内投資家が上場株また未上場株の取引を行う場合、米国証券市場および外国の状況に徐々に関心を払うようになってきました。OTC取引が最も賑やかに行われている軍隊銀行(MB)における考察の結果によると、日々のMB株価は、米国市場およびベトナム上場市場の動向に大きく左右され、その終値は、ベトナム上場市場およびその他の市場に追随することが判明しました。また外国法人投資家は、ベトナム証券市場に参加する場合に世界の証券市場からの影響を受けています。

 ただし、この影響は企業の本質的な価値に対してではなく、株価に対してだけに及んでいるにすぎません。したがって株価の上下は一時的なものに過ぎず、その株式の将来価値を反映していません。

 3.ベトナム経済の現状:年初9ヶ月のGDPは昨年同期を上回り、6.25%となりました。またCPI(消費者物価指数)は0.18%上昇し、第3四半期の貿易赤字は15億1100万USDでした。また、登録された直接投資額は571億2000万USDに達し、2007年同期より5倍に増加しました。FDI(外国直接投資)の年初9ヶ月の支出は約81億USDになりました。
上記の経済実績は、政府の景気刺激策の結果だと思います。9月25日に国家銀行総裁は、強制準備金の金利を年間3.6%から5%にまで引き上げることを決定しました。一方、インフレ率も抑制されたために、商業銀行は調達金利と貸出金利を下げる動向を見せました。しかし、金利が下がったと言いながらも企業にとっては依然としてはるかに高い水準です。

 以上、世界経済からの影響およびベトナム経済の内在的な要因によって、ベトナム経済の発展速度はやや遅くなるでしょうが、これは新しい動向というよりも周期的な調整であると思われます。ベトナム経済の潜在力が時間の経過に伴って表出するでしょう。また、経済成長が鈍化する時期であっても、良好な経営の企業を発掘できると思います。このような観点から幅広く企業を渉猟したいと考えております。
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 ベトナムのような成長国では、潜在的な投資対象企業の宝庫である。それは「人材の宝庫」と言うこともできる。日本の戦後、松下幸之助・本田宗一郎・盛田昭夫・稲森和夫といった起業家精神が溢れるリーダーが生まれた(ジョン=コッター「偉大なリーダーは危機の中で創られる」『日経ビジネス・マネジメント』Autumn,2008)。さらにダイエーの中内功もそうである。こういった人材の発掘がベトナムでは求められている。その前に、発掘できる人材が必要なのかもしれない。それは誰か・・・。これからの時代に必要なことは、これである。

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