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2008年10月14日 (火)

国際的な資金流通システムを整備せよ:金融危機からの教訓

 世界同時株安、株価暴落、円高不況・・・。日本を取り巻く経済環境は不透明で暗い。今日は、日経平均が1000円上昇し、やや明るい方向性が見えてきた。今回の世界同時株安からの教訓は何か? 

 市場経済の不安定性は必然であるから、それを信奉する限り、こういった事態を甘受するほかない。このような冷めた見解に基づけば、そこで「思考停止」になってしまう。

 そうではなくて、日本の経済体制の進路を考えることは、国民レベルの問題とするべきである。より一般に言って、経済知識の普及は健全な経済発展を促すことになる。政府の経済政策をチェックする機能が高まる。また個々人の経済認識の向上は、次から次に発生する経済的な詐欺商法に引っかからないことにもなる。

 ここで「健全な経済発展」とは何か? たとえば高速道路を建設する。この必要性や優先性は、日本とベトナムのどちらが大きいか? 世界全体の経済発展や投資効果を考えれば、ベトナムの方が優先されてよいと私は思う。この場合、もちろんベトナムの中で高速道路と病院建設の優先度が検討されていなければならないが、このように公共投資の優先度を世界規模で考えても良い時代ではないか?

 そのためには、グローバルな資金流通システムを整備しなければならない。資金過剰の国から資金不足の国に円滑に資金が流通すれば、そこから得られる利益は実体経済の成長を伴っており、それは「バブル経済」とは呼ばない。

 過剰な資金はマネーゲームを生む。そういった資金があれば、資金不足の国に投資する。当然、そこからも利益を得ることができるが、それは安全で確実な利益である。このような国が、日本にとって今はベトナムと見なされる。他方、中国は、もはや資金過剰国であり、その資金は周辺国に広範に投資されている。この投資は、将来の中国経済成長の基礎になる意図が込められている。

 この投資は政府主導とみなされる。市場は、それぞれの参加者が利益を追求する。この参加者の自主管理は難しい。やはり市場管理の役割は、中立的な政府の役割である。そのためには賢明な政府の存在が不可欠である。

 

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