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2008年10月27日 (月)

故・緒形拳氏と青木雄二氏を偲ぶ:『ナニワ金融道』から学ぶ

 俳優の緒形拳氏が亡くなった。NHK大河ドラマ『太閤記』の秀吉役が出世作であった。私は小学生時代に見た。その後の弁慶役も秀逸であった。最近では、TV番組『ナニワ金融道』(原作:故・青木雄二)でのマチ金業者「帝国金融」の金子高利社長役が印象深い。これはDVDで販売・レンタルもされている。主役は中居正広。また、原作の漫画本は文庫版もある。

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 私は『ナニワ金融道』原作者の故・青木雄二氏を大学の講義にお招きしたことがある。新神戸にご自宅があった。緒形拳氏の逝去もあり、再びDVDを見た。この中の登場人物である「カード地獄」に落ちた泥沼亀之助氏から、現在の金融危機でカード支払いに苦しむアメリカ人を想起した。

 クレジットカードで新幹線のC制チケットを購入して、それをチケット屋で換金する、その現金で別のカードの支払いをする。その繰り返しで、カードが数十枚になる。自己破産しようにも、借り入れの金額が少なすぎてできない。最後は、カードを使った取り込み詐欺まで考えるようになる。真面目な証券マンだった泥沼さんが、帝国金融から借金したことによって転落の道を進む。

 日本のバブル経済後の不良債権処理についての経験が、米国発の金融危機の対策に活用できると麻生総理大臣は述べている。日本の不良債権は担保物件が確定しやすく、その債券回収ビジネスで米国企業は大儲けした。今度は日本企業が儲ける番だと思うのだが、今回の不良債権は、単なる不動産ローンではなく、それが「証券化」されている。不良債権が世界に証券として拡散しているだけに、その損失金額の確定には時間がかかると言われている。それまでは、世界の投資家の不安が増長する。不安は株価の下落を加速する。青木雄二氏が存命なら、今の事態について何とコメントするだろうか?

 さまざまな金融問題は、すでに青木雄二氏の漫画の中に出てくる。『ナニワ金融道』を読んで、そしてテレビで見た日本人は金融ビジネスそれ自体に不安や不信をもって当然だ。「貯蓄から投資へ」と政府が訴えても、日本人が投資に慎重なのは無理もない。「お金は怖いですよ」と上掲の「ナニワ金融道(1)」の高橋正子役の女優・深津絵理がDVDの最後で感想を述べている。

 確かにお金は人間を変えてしまうほどに「怖いもの」であるが、そうだからと言って、投資やお金それ自体を怖がる必要はない。しっかり勉強すればよい。事実、現在の日本経済それ自体は悪くない。しかし将来が見えない。それが不安を高める。将来の明るいシナリオを描くのは政府の役割である。このように考えれば、日本の株価下落の心理的不安の根底には経済問題ではなく、政治問題がある。

 目先の景気対策で株価は安定しない。政治問題の解決には時間がかかる。それなら当面は外国に目を向ける。これが私の現状分析と対策である。当然、自己責任を前提にして冷静に考えて合理的と思われる投資判断をすることが原則である。

 『ナニワ金融道』から学びながら、お金を怖がらずにお金と友達になる。この作品は私にとって永遠の名作である。ここで改めて緒形拳氏・青木雄二氏のご冥福を祈りたい。

 

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