« ロータス投資運用会社提供「ベトナム経済ニュース(21)」:9月の株価レポート | トップページ | 三浦展『下流大学が日本を滅ぼす!――ひよわな”お客様”世代の増殖』を読む »

2008年10月12日 (日)

カナリア~西條八十物語~:関西大学「学園座」公演を見る

 関西大学の演劇部には4団体ある。その1つが学園座である。機会があって、その公演を見ることになった。10月10日(金)~12日(日)の4回公演。http://gakuenza.yu-yake.com/

 11日(土)の昼に関西大学の校門前で、萩尾千里さん(株式会社・大阪国際会議場社長、関西経済同友会前事務局長)に偶然にお目にかかった。これはオマケの幸運だ。日越経済交流センターの活動に何度か支援をいただいている。立ち話であったが、ご挨拶できてよかった。

 学園座の演目は、「カナリア~西條八十物語~」(作:斉藤憐、演出:吉井恵)である。率直に言って、面白かった。演技も熱演であったが、それ以上に作品それ自体、さらに言えば、西條八十の生涯に共感したし、興味深かった。

 西條八十は、現在で言えば、マルチタレント教授である。このマルチとは、①叙情詩人、②児童文学作家、③作詞家(流行歌・軍歌)、④フランス文学者(元早稲田大学教授)。さらに⑤株式投資家。

 活動自体もマルチだが、それぞれの内容もマルチである。たとえば作詞家として次の作品がある。童謡「歌を忘れたカナリアは・・・」、軍歌「貴様と俺とは同期の桜・・・」、戦後の流行歌「父は夢見た、母も見た・・・青い山脈・・・」そして「吹けば飛ぶよな将棋の駒に・・・」。驚くべき多様性と才能である。政治的には、左翼劇団に資金カンパしながらも、その後は従軍記者となり、戦後は戦犯容疑にも問われている。

 フランス文学者としては、逝去の3年前の75歳で『アルチュール=ランボー研究』(1967年)を刊行してライフワークを完結させた。

 これらのマルチタレントおよび多様性の基礎には、その天性の才能があることは言うまでもない。しかしその原動力や契機は、女性好きから生まれる多数の愛人遍歴、そして断り切れない優柔不断な性格である。また、それを容認する家族の理解と忍耐力。

 いくつかの教訓を以上から感じた。①優柔不断で断り切れない仕事は悪いことではない・・・仕事の幅を広げることになる。②ライフワークは完成させる・・・私の場合、「役員兼任ネットワークの研究」? または「博士号」を取得すること? そのほかに③好奇心を忘れない。④仕事には極度に集中する。 

 なお西條八十は、株式投資の利益で「詩人会館」を建設する夢があったそうである。株式投資のような不労所得は、自分だけのために使っては、世論の支持が得られない。東京には日中友好親善のための会館があり、格安で宿泊もできるが、私も、お世話になっているベトナムやラオス・カンボジアのためにビルを1つか2つ建ててもよいのだと思う。夢は大きい方がよい。

 いろいろ考えさせられた公演であった。時代の変革が求められている時代に、その変革の中でどのように生きていくか。人間の生き様=人生観を大学生にも考えてほしい。熱演の学園座の皆さんに感謝を申し上げたい。

|

« ロータス投資運用会社提供「ベトナム経済ニュース(21)」:9月の株価レポート | トップページ | 三浦展『下流大学が日本を滅ぼす!――ひよわな”お客様”世代の増殖』を読む »