« カナリア~西條八十物語~:関西大学「学園座」公演を見る | トップページ | 国際的な資金流通システムを整備せよ:金融危機からの教訓 »

2008年10月13日 (月)

三浦展『下流大学が日本を滅ぼす!――ひよわな”お客様”世代の増殖』を読む

 

 下流大学が日本を滅ぼす! ひよわな 下流大学が日本を滅ぼす! ひよわな"お客様"世代の増殖
販売元:TSUTAYA online
TSUTAYA onlineで詳細を確認する

 上記の図書を連休中に読んだ。同書は、大学教員にとっては一般に知られたくない本音を赤裸々に表明してる。この中で紹介される学生の実態は多くの点で当たっている。

 いまどきの困った学生たち!:①メールの件名が毎回「助けてください」、②笑い物にするため、先生を盗撮する、③「わからない」と言ったら、すぐ泣く、④卒論を教授にタイピングさせる、⑤間違いを指摘すると、固まる。こんな若者が会社に入ってくる!!

 要するに基礎学力も社会常識もない大学生が増加しているということである。その実態を突き付けられた大学教員側は、それを直視し、それに真剣に対応しなければならない。それが大学における教育者としての使命であろう。ここで必ず、大学は研究することも使命だという意見が出てくる。しかし2つの使命を同時に追求するから大学である。研究は、教育を軽視する理由にはならない。

 本書の具体的な内容は、以下の引用と目次から想像していただきたい。また実際に広く大学関係者や受験生そして父兄にも読んで頂いて、広く議論することが必要であると思う。

 「大学は学生からお金をもらう側だから、バカ学生でもかまわないが、会社はお金を払う側だ。社員がバカでは困るのである。しかし日本の教育は、16年間かけて、そうしたバカを大量生産し、最後の仕上げに大学がバカに磨きをかけて、社会に送り出しているのだ。大学は、日本を破滅させる気なのか?」(p.5)。

 「要するに大学の先生は、自分の立場を守るために口を閉ざしているんだね。それで仕方なく、バカ学生と付き合わざるを得ない。まあ、自業自得さ」(pp.30-31)。

 目次

 第1章 大学がバカ学生を大量生産する
 第2章 お客様化する学生とモンスター・ペアレンツ
 第3章 バカ学生は社会では通用しない
 第4章 「大学貧乏」の登場
 提 言 オンライン大学で下流脱出を

 私は現在、学生の就職担当の委員をしている。この観点から言って、第3章は以前からの私の意見と同じである。たとえば「もっと板書をキレイにしてほしい」と学生から要望されるのだが、それに対して私は「商談時に取引先が板書してくれる実例は1%もない。相手の言うことをメモする習慣をつけなさい」と反論(=言い訳)している。会社で働く時に困らないように、こういったことも知識のみならず教育する。これが大学教育における「実学」かもしれない。

|

« カナリア~西條八十物語~:関西大学「学園座」公演を見る | トップページ | 国際的な資金流通システムを整備せよ:金融危機からの教訓 »