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2008年10月25日 (土)

日本とベトナムの経済連携協定(EPA)交渉が妥結:次の課題は何か?

 日本ベトナム友好協会の機関紙『日本とベトナム』(2008年10月15日)は、そのベトナムニュースのページで「日越経済連携協定の交渉が妥結」したことを紹介している。以下では、それを引用する。

 「9月29日、ハノイ市で商工省及び在ベトナム日本大使館は日越経済連携協定(EPA)の交渉妥結を明らかにした。同協定の調印は今年末の予定である。

 ベトナムが二国間経済連携協定を交わすのは今回が初めてになる。EPA交渉妥結公表の式典でブー=フイ=ホアン商工相は、交渉妥結及び年内調印は、日越国交回復後の35年間において重要で、政治的にも意味があると言明した。

 EPAでは、両国は農業・工業・貿易取引・投資・人材育成・観光・環境保護・交通運輸を含めた多くの分野における協力を強化する。ホアン商工相によると、EPA締結によって、日本は、ベトナム農産品に対して更に国内市場を開放する一方、日本の工業製品のベトナムへの浸透が進む。

 EPA交渉のファン=テー=ズエ団長によれば、EPA調印でベトナムが日本へ輸出する農・林・水産品の86%及び工業製品の97%は税優遇を受ける。初期段階において日本はベトナムと看護士の育成、裾野産業の投資開発、食品安全基準策定に協力し、ベトナムの品質基準システム構築を支援する。

 現在、日本はベトナムとの貿易取引額が120億ドルでベトナムにとって3番目のパートナーである。今年の貿易総額は、150億ドルを超え、両国の元首が掲げた2010年の目標を2年早く達成する見込みである。(08年9月29日、サイゴンオンライン)」 

flairコメントflair
 
上記の報道によれば、ベトナム農産物の日本輸出の場合に税優遇がある。これはベトナムのみならず、農産物の輸出が有望なラオスやカンボジアはベトナムを経由させるメリットが生まれる。いずれにせよ農産物の対日輸出では、同じく日本が協力を約束している「食品安全基準策定」が必要である。私見では、その策定だけではなく、その基準の実施により以上の問題がある。まあ良いだろう」というベトナム人の「いい加減さ」「詰めの甘さ」の解消が決定的に重要である。

 また、裾野産業の投資開発がEPAの合意事項に含まれたことも注目である。これまでベトナムは北部「フォアラク工業団地」を始めとするハイテク分野を重視する開発協力を要望してきた。しかし、このEPAで「裾野産業」が明記されたことは、ベトナムと日本の現状に対応しているという意味でより適当である。日本の製造業すなわち「もの作り」における熟練技術そして「匠の技」のベトナム移転は、双方にとって急務である

 日本とベトナムのEPA締結を歓迎するとともに、その実施のためのロードマップの策定、さらに官民連携の投資スキーム、さらに日本の裾野産業を構成してきた中小企業のベトナム進出に対する支援など、次のステップの具体的な施策が望まれる。日本とベトナムが相互にパートナーとして両国の経済の持続的成長に貢献する。これこそがEPA本来の目的である。

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