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2008年10月30日 (木)

カンボジア近況:世界経済危機の影響

 昨日のカンボジア私見について、プノンペンの消息筋から連絡があった。以下では、それを紹介する。現地の意見は、より尊重されるべきである。参考にしていただきたい。

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 カンボジアとタイの国境紛争は偶然に発生したものでり、再発しないと考えられる。なぜなら両国首脳は、すべてを平和的・外交的に解決することを約束したからである。さらにタイについて言えば、この戦争によって得るべき利益は何もないと思われる。万が一、紛争が再び発生すれば、国際社会が関与することになるであろう。

 したがって、今回の紛争は日本を含む外国人投資家に影響はないであろう。たとえばヤマハでは現在もプノンペンの工場が操業中である。

 今回の世界金融危機がカンボジアに与える影響は大きくない。現在のカンボジアの外国との関係が大きくないからである。カンボジア経済は、農産物輸出・観光・縫製・不動産(近年になって)で主に構成されている。これらの規模が小さいので、外国経済からの影響は大きくない。

 韓国の「投資引き上げ」については、現在まで大きなニュースになっていない。ただし確かに、新しい投資はない。経済財務省は株式市場をできるだけ早く開設することに専念しており、この意味では、国境紛争や世界金融危機の影響はない。しかし、実際の投資家や上場企業については影響があるかもしれない。いずれにせよ、カンボジア株式市場の開設準備は粛々と進められているので、その遅延はないと考えられる。

 IMFからのカンボジア融資については、すでに昨年以前から受けており、特に今回の金融危機で融資を受けたからと言って、大きな影響はないと思われる。
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flairコメントflair
 カンボジアのWTO加盟は2004年である。2007年加盟のベトナムよりも早い。これについて知人のベトナム人は、多少の負け惜しみの感情も含めてであろうと思われるが、「カンボジアには失うものはないから」と指摘した。WTOに加盟して市場開放すれば、国内産業が崩壊するという話は、国内産業が存在している場合である。確かに当時のカンボジアには「アンコールワット観光」と小規模な縫製業のほかに産業はなかった。大部分は農業であった。

 こういった意味で、「持たない者の強み」をカンボジアはもっていると言えるかもしれない。新興国の経済分析は、先進国のそれと同様に扱えない。たとえば韓国が1997年にIMF融資を受けることによって、大きな経済改革を迫られた。韓国にとって経済主権が奪われる重大事件であった。しかしカンボジアでは、すでにIMF融資を受けて、その指導の下に経済成長政策が遂行中である。世界金融危機の影響の有無以前の段階である。これら両国の経済統計や成長率を同等に考えることに無理がある。

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