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2008年9月16日 (火)

中断を中断:ベトナム代表団の来日とリーマンの経営破綻

 9月16日(火)は、日越外交関係樹立35周年記念ベトナム代表団2008歓迎レセプション」が、在大阪ベトナム総領事館の主催によって大阪国際交流センター(大阪市・上本町)で開催された。これは感動であった。すごいぞベトナム。ベトナム人は一般に、見栄っ張りで「エエカッコしい」なのだが、今日の記念式典は、そのような気質に内実が伴っていた。

 ベトナムからの通常の訪日団は、東京から入国し、関西から出国する場合が多いが、今回は今朝に関西空港から入国、その後に名古屋で1泊し、東京の代々木公園で20日(土)に開催されるの「ベトナムフェスティバル2008」に参加して帰国する予定である。

080916_19170002  まず、17時30分からベトナム写真展「ベトナムの国と人」がロビーで開催された。その後の18時から記念レセプションが開催され、フォーや生春巻きを楽しんだ。これは本場の味であった。この時のドレスコードは、ラウンジスーツとナショナルドレス。かなりフォーマルな指定であるが、守らない日本人が少なからずいた。関西的であるが、国際的ではない。関西的なベトナム人が国際的であろうとする時には、本家の関西人も国際的でなければならない。

 このレセプションで緑色のネクタイの男性を見つけた。やはりホーチミン市のマイ=リンタクシーの幹部であった。今回の訪日団は、ホー=ドゥック=ヴィェト越日議員連盟会長を団長として50名に達している。その中には外務省副大臣・商工省副大臣・ホーチミン市人民委員会副委員長も団員に含まれている。写真は、レセプション後の19時からメインホールで開催された「日越文化の夕べ」における大阪市の平松市長である。橋下知事は、明日・9月17日の「第2回日越経済討論会」で挨拶される予定である。その後の19時から、在大阪ベトナム総領事館が大阪市から堺市に移転することを記念して、堺市と堺商工会議所が主催するレセプションがリーガロイヤル堺で開催される。

080916_20520001  このメインホールの音楽とファッションショーが圧巻であった。テーマは「神秘のベトナム」。ベトナムの「優秀芸術家」と呼ばれる伝統楽器の奏者を始め、ミスベトナム・準ミスベトナムの出演は、ファッションショーの華。目を見張る輝きであった。そして最後は、出演者と日本人招待客との舞台上での交流である(写真参照)。約2時間の舞台公演であったが、アオザイの新しい多様なデザインが楽しめたし、そのデザイナーの若さにも感心した。

 おそらくこのショーの水準なら、ベトナム紹介の世界巡業が可能であろうと思われる。ベトナム大健闘である。約1000人収容のメインホールは、ほぼ満席であった。日本人のみならず、ベトナム人留学生も多数参加していたが、彼・彼女らにとっても母国を誇らしく、そして懐かしく想ったと思われる。東京では、私が愛蔵するCDの歌手ミー=リンが出演予定である。東京まで「追っかけ」してもよい気持ちになる。

 今日の午前中のニュースは、米国証券会社の一つであるリーマン=ブラザースの破綻が中心であった。その報道に伴って米国・日本の株価が大暴落した。おそらく米国経済の当面の衰退に伴ってベトナムの対米輸出が減少するであろうが、これまでの実例(ナマズ輸出)によれば、それはEU輸出の拡大によって補完できる可能性が高い。米国偏重ではない全方位ベトナム外交の成果が出るように思われる。

 米国発の「ベトナム通貨危機説」に同調した欧米情報崇拝の日本人エコノミストに、ぜひ今日の行事を見てほしかった。ベトナムの成長を少しでも実感できるはずである。ベトナム経済の数字だけを見るのではなく、目の前のベトナム人に「景気はどうでっか?」と聞くべきなのである。私は「ベトナム通貨危機説」を一貫して批判してきたし、それは、このブログで紹介してきた通りである。私自身、「ひょっとして・・・」と考えないこともなかったが、親しい何人かのベトナム人の意見を想起すれば、それは杞憂であると判断できた。

 先週末に福岡大学で開催された「アジア経営学会」で印象深かった報告のひとつは、久留米大学・永池克明教授の次の指摘であった。
 ・グローバライゼーション1.0: 国家と国家の国際化
 ・グローバライゼーション2.0: 企業と企業の国際化
 ・グローバライゼーション3.0: 個人と個人の国際化
 上記のバーション3.0になると、個人の競争力やスキルが問われる時代になる。このことは、外国情報を入手する場合、論文や報道に依拠するのではなく、個人の情報源をもつ時代になるという意味を含んでいる。個人と個人の関係を深めることが、ビジネスにも研究にも共通して必要であると指摘できる。

 このような意味で、ベトナム経済を本当に理解しようとすれば、上記で紹介したような人的交流の機会は不可欠である。さらに敷衍すれば、政府や自治体は企業の国際化を支援するのではなく、個人の国際化を支援する時代になったと言うことである。それを換言すれば、企業育成の時代から人材育成の時代に入ったということである。

 以上、同じ日にリーマン=ブラザースの経営破綻とベトナム代表団の訪日が重なった。この2つの出来事は客観的に何の関係もないが、私にとっては経済成長センターの新旧交代を象徴するかのように思われた。これは研究者としてではなく、未熟ではあるが、ビジネス人としての私の直感である。

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