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2008年8月 5日 (火)

ホーチミン市におけるPCI社の贈収賄についてコメント(2)

 以上のような「贈収賄」の実情は、ベトナムの低所得が原因であることを示している。次第に所得が上昇すれば、自然に解消することも多い。確かに今では「有料セミナー」における「お車代」も次第になくなっているし、最近の大学内の様子も変化していると思う。

 在ベトナム日本企業では、ベトナム人幹部従業員に対してベトナムの慣行である「贈収賄」を厳しく禁止している日本人経営者も多い。しかし「郷に入れば、郷に従え」ということもある。厳禁すると、日本人経営者に対する反発があったり、ベトナム人従業員の立場が悪くなったりするなど別の問題が発生するかもしれない。一般に外国ビジネスは、日本人の常識や基準通りに進まないことがほとんどである。

 他方、ベトナム共産党の権威を死守している人々が現在も存在する。賄賂とは無縁の人々がベトナムにいることは事実である。

 ここでの問題は、贈賄側のPCI社にある。その資金の出所が税金となると、日本の国民感情として「けしからん」となる。収賄側のベトナムは、当然のように10%程度の手数料を要求する。おそらく罪悪感はない。お互いに「WIN-WIN関係」になるという普通の発想だ。しかし、その関係に日本国民が含まれていない。日本の国民感情が配慮されていない。この配慮をベトナム側に求めるのは酷だ。日本側が考えるべきことだ。

 おそらくPCI社の担当者は、ベトナム側からの「贈収賄」の提案が会った時に苦慮したと思う。ベトナムのビジネスでは慣行である。「贈賄」について、おそらく部下のベトナム人スタッフに意見を聞け「ば、「それは普通」という返事があったに違いない。さらに他方、その資金源は日本の公的資金である。しかも3億円に達する巨額資金。発覚すれば、大問題になる。もし私がPCI社の担当者なら、苦しい選択を迫られるであろう・・・。

 やはり私なら、公的資金ということを最優先して、やはり贈賄の誘いは拒否する。私も「科学研究費補助金」という公的資金を何回か受給したことがある。最近では、その資金流用が頻発し、その使途も厳しく管理されるようになった。公務員の仕事に対する国民の批判も厳しくなった。税金の使途に国民は敏感だ。また、そうでなければならない。この潮流の中でPCI社の贈収賄が浮かび上がったと思われる。

 より一般に言って、公的資金の使途に対する国民の意識が日本では低い。このように判断されて、贈賄が発生したのではないか? 公的資金に対する国民の意識が厳しくなっている今日の風潮が考慮されれば、この贈賄は発生しなかったのではないか? この事件は、ベトナム側の問題であると同時に、それ以上に私は日本側の問題であると思う。

 

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