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2008年8月 9日 (土)

カンボジアの農場経営:「業務スーパー」を展開する(株)神戸物産を訪問

 8月8日に株式会社・神戸物産http://www.kobebussan.co.jp/関西FC本部を訪問した。JR西日本・東加古川駅からタクシーで片道1750円の距離である。

Dsc01440  昨年にカンボジアで農産物の開発をするという新聞報道があり、それ以来、一度は訪問したいと思っていた。また同社が全国に展開する「業務スーパー」は、いつもお世話になっている自宅近所の激安の食品スーパーとしてなじみがある。

 写真は関西FC本部である。ご覧のとおり、兵庫県加古川市の田園の中である。恐るべし神戸物産。「激安」を差別化戦略の基本とするなら、立派な本社ビルは必要ない。同社の見識である。まず、このことに感心させられた。この本社ビルの隣に、タクシー運転手によれば、同社発祥の八百屋さんである「フレッシュ石守」が健在である。

 同社の加古川営業所・カンボジアプロジェクトの田所聡さん・中田雅人さん・ダヴィー=ダンさん(カンボジア人)にお話を伺った。首都プノンペンから国道6号線の途中から国道7号線に入って全体で4時間ほど走れば、同社のコンポンチャム州の専用農場に到着。ここはベトナム国境に近い場所であり、借地権80年間の1,800haに達する同社の農場がある。私見では、この1,800haという広さは、ほぼ地平線に近い広大さである。

flairflair:このことは、ラオスの首都ビエンチャンで中国人20万人が移住すると言われている1,600haの敷地を見て実感した。

 農場では主に根菜系野菜の栽培実験をしており、その加工もカンボジアで行う予定である。最短で来年4月にはカンボジア野菜が業務スーパーの店頭に並ぶことになる。神戸物産は、すでに中国から野菜など食品を輸入しており、独自の全品検査を実施しており、食品の安全を保証している。しかし中国の農場は、農薬の大量使用の後の土壌保全が不十分であり、次第に中国の土壌は貧弱になっている。これに対してカンボジアは、農薬使用は稀有であり、その土地は豊饒である。この土地を専用に効果的に管理すれば、継続して低農薬で良質の野菜を提供できる。業務スーパーは、このように考えてカンボジア進出を決定した。

Dsc01427  写真は、カンボジアプロジェクトのスタッフであるカンボジア人のダンさんである。本社の入り口前である。ダンさんは、日本の専門学校を卒業して同社に就職した。カンボジアにおける農場もしくは農園の大規模な開発は、国民の80%が農民であるカンボジア農業の発展にとって効果的な技術移転の典型となりうる。この意味で、日本とカンボジアの両国を結ぶダンさんの役割は重要である。また、カンボジアプロジェクトの田所さんからは、カンボジアに対する熱い思いを語っていただいた。彼の情熱と熱意は、ビジネス成果として結実するであろうし、両国の友好と親善に大いに貢献すると確信された。

 WTO交渉が決裂した理由が、日本の農業に対する保護政策に関係している。農産物市場の開放によって、日本農業の壊滅が懸念されるという論理である。それは理解できるが、たとえば日本の高級野菜や高級食材を外国に輸出し、それによって利益と外貨を確保するという「攻めの農業」の発想が欠落している。他方、一般食材の日本における提供は、ここで紹介した神戸物産が試みているように、カンボジアなどから安価に高品質な農産物を輸入すればよい。

 まだまだカンボジアに対する日本人の関心は、「アンコール=ワット(:シャムリアップ)」に集中・偏重している。今後は次第に、神戸物産のような先駆的な日本企業が、カンボジア投資の優位性を普及・情宣する役割を果たすものと思われる。神戸物産=業務スーパーのカンボジアにおける発展を祈念したい。

 

 

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