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2008年7月28日 (月)

カンボジア総選挙(2):現地続報

 昨日の総選挙の結果は、昨夜の午後9時30分に大勢が判明。政権与党のカンボジア人民党が圧勝し、カンボジア国会123議席中の91議席を占めた。現地の日刊英字新聞TheCambodia Daily Monday, July 28, 2008が、フンセン現首相の笑顔をトップで報道した。

 同紙によれば、野党サムランシー党の党首サムランシー氏は、支持者の前で選挙妨害が行われたと主張している。昨日に紹介した投票者の名簿に記載漏れがあったという内容である。私の印象では、それが事実であっても、大勢には影響しないと思われた。それほどに整然とした選挙であった。

 日本からも40名ほどの選挙管理委員が全国に派遣されたそうである。こういった国際貢献は一般に報道されないが、注目されて良い。このような活動があってこそ、カンボジアの政治的安定が支えられ、それが日本企業の投資を促すことになる。

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 写真の黒い指先は、ドアに指を詰めた内出血ではない。また指紋押捺の跡でもない。総選挙の投票を済ませたカンボジア人投票者に対して、このように右手の人差し指に黒インクの印が付けられる。これで2重投票は完全に防止できる。このインクは3日~1週間は消えないそうである。日本でも、かつて替え玉の投票の事件があったことを考えれば、カンボジアの「指インク」システムは合理的である。

 カンボジアの当面の大きな関心事は、この総選挙結果よりもタイ国境のヒンドゥー教寺院の領有権問題である。カンボジア政府は、硬軟両様の対応を考えているようである。いずれにせよ、カンボジア総選挙は平穏に終わり、次の関心は組閣メンバーや人事異動である。

 この選挙結果は、国際社会の信用を増すことは間違いない。政治的な安定がなければ、経済成長はありえない。その安定が独裁政権であったとしても、その下で経済成長は可能である。カンボジア王国は多党制を採用する「立憲君主制」国家である。経済成長ではベトナムに遅れを取っているが、「一党独裁」のベトナムに比較して、政治的な「民主化」は先行している。

 今後、来年末から再来年にかけての株式市場の開設が大きな経済発展の起爆剤になるであろう。新政権では、この運営管理が焦点となる。また原油・天然ガス・鉱物資源の開発が国家財政に貢献する。さらに新政権には「汚職防止法」の成立が期待されている。これらの要因が有効に実施されれば、カンボジアの今後の10年は、これまでの10年に比べて格段に飛躍的に成長するであろう。

 最後に再び強調すれば、経済成長の前提は政治的安定である。今回のカンボジア総選挙の結果は、カンボジア国民が本能的に政治的安定を選択したとみなすことができる。その次は、いよいよ経済成長の出番である。

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