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2008年7月 1日 (火)

カンボジア情報:新川加奈子『カンボジア今』を読む(7)

 新川氏は、カンボジアの最高学府である王立プノンペン大学の卒業生を含む30歳代の若者3人にインタビューして、カンボジアの将来について次の回答を引き出している。

 「カンボジア国のために何かをしたい。国の役人になる機会はいくらでもあり、実際に経験をしたが、あまりにも賃金は安く、権力もない。接待を受けることだけが唯一の楽しみのような、国の役人に甘んじていたくない」(p.80)。そこで彼は海外のNGOの仕事を通じて、カンボジアを変えていきたいという希望を述べている。

 私見では、彼の意見は、政府自身での変革は難しく、外国に依存せざるをえないということである。この「外圧」に弱いという点は日本も同じである。ただし彼の経験では、外国の組織と言えば、NGOしか思い浮かばないのではないか。外国の民間企業が多数カンボジアに進出すれば、そこで働くことが、先端技術や経営ノウハウの移転につながり、彼の期待に応えることにもなるだろう。つまりNGOに加えて、彼の将来の選択肢も増えることになる。

 「現在のカンボジアの社会を変えるには、国の資金力の増大が不可欠だと思う。それには、一人ひとりがしっかり稼ぐこと。今、僕は外資系の会社で働いているが、いずれは独立して会社を作る。そして外国の会社に負けないくらいの資金をカンボジアの社会に流入させる機動力になりたい」(p.81)。

 私見では、彼の期待に応えるためには、ベンチャー企業の育成ファンドの組成が有効であろうし、さらに株式市場の設立が望ましい。2009年末以降にカンボジア株式市場は設立されるであろうが、その時にカンボジアの財閥系企業の上場が予想される。それに加えて、ベトナムのFPTのような新進気鋭の民間企業の上場が期待される。そのことが、彼のような若い潜在的な起業家に対してやる気と夢を提供する。

 株式市場の設立は、NGOやNPOそしてODAに依存してきた外国からの資金援助に加えて、民間資金の流入をもたらす。このことは上記のように、カンボジアの若い優秀な人々に希望や夢を与えることになる。このような重要な役割がカンボジア株式市場に期待されていることを私は強調したい。

 

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