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2008年7月11日 (金)

ロータス投資運用会社提供「ベトナム経済ニュース(20)」:株価「底値」は確定したか?

 ベトナム現地法人・ロータス証券投資ファンド運用管理会社が提供する6月のレポートを紹介する。ベトナム株式市場は株価低迷の「底値」を探る状況であったが、ようやく「反転」の兆候が見えてきたようである。ロータス社の以下の月次報告は、控えめな表現であるが、今後の「買い」局面の到来を指摘している。

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 6月にVN-Indexは414.10ポイントから399.40ポイント(3.55%)まで下がり、 Hastc-Indexは119.31ポイントから112.67ポイント(5.57%)まで下落しました。他方、OTC市場には大きな変動がありませんでした。

 この直近の2週間では、HOSE(ホーチミン証券取引所)、 HASTC(ハノイ証券取引センター) 及びOTC市場ともに顕著な上昇が見られました。

 先月5月の「月次報告書」は、ベトナムにおける金融危機の発生の確率は低いと述べました。実際に最近、金融引き締め政策の効果が発揮され
 ① 経済成長が鈍化し(年初から6ヶ月のGDPは6.5%上昇)、
 ② 貿易収支の赤字も落ち着きました(5月の赤字金額が28.5億米ドルに対して6月の収支赤字は13億米ドルに縮小)。一方、
 ③ 輸出が引き続き上昇しました(前年の同期に比べて、年初から6ヶ月で32.9%増加)。
 ④ それに加えて直接投資(登録金額および実施金額)も増加し続けています。
 ⑤ 以上、貿易収支が引き続き改善されると考えられます。

 石油の値段が上昇していますが、過度のインフレはおそらく終息しつつあります。5月のCPI(消費物価指数)が3.91%上昇であるのに対して、6月のCPIは2.14%上昇であり、年初から最低の上昇率でした。多くの企業は高い貸出金利、輸入への依存、原材料費用の増加などの困難に直面していますが、これらの困難は一時的な困難に過ぎないと考えられます。物価が安定すれば、金利も低下し、企業にとっては好循環の経済環境になると思われます。

 弊社は、VN-Indexの「底値」(366.02ポイント:6月20日)が既に確定されたとみなしています(確率は80%)。そこで今後、綿密な研究調査に基づいて、企業の株式の保有率を増やす方針です。ただし依然として貸出金利が高く、石油価格が引き続き上昇し、高いインフレ率が続いているために、多くの企業の第2四半期および第3四半期の業績が良くない可能性が高いという予想もあります。そのために上記の市場の底値より更に株価は下落するという説もあります。したがって株式の取得は慎重に進めることとします。

 ベトナム証券市場の下落率は、以前の「アジア通貨危機」当時のタイ国・マレーシアの下落率よりも小さいです。ただしタイ国やマレーシアのピーク時の株価は、ベトナムの2007年のピーク時の株価よりも過大評価されていたかもしれません。

 ベトナムの困難は一時的な困難に過ぎません。その困難は地域全体に影響を及ぼしていませんし、企業業績・ビジネス機会・消費市場などの基本要素が良好に維持されています。それにもかかわらず、市場参加者が多様であるためにベトナム証券市場における短期的な予測は困難です。以上、弊社の投資活動及び投資経験を投資家と情報共有するために、弊社の主観的なコメントを述べさせていただきました。

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