« ロータス投資運用会社提供「ベトナム経済ニュース(20)」:最近の金融事情 | トップページ | 為替市場の規制と自由化:為替レートの二重性 »

2008年6月15日 (日)

カンボジアの証券法について(6):ベトナム法との比較

  カンボジア証券取引委員会(CSEC)は、「証券法」によれば、次の権限をもっている。

第10条 CSECの特別権
 CSECの幹部職員は、司法警察としての法的能力をもち、司法警察の役割と職能に言及した刑事訴訟法で規定された職能をもつ。

第11条 CSECの組織と行動
 CSECの組織と行動は法令によって規定される。CSECは独自の予算をもつ。

 以上、カンボジアのCSECは強力な権力をもっていることが理解できる。司法警察と同等である。これに対して私の理解では、日本の証券取引等監視委員会が、違法行為を発見した場合、行政処分を内閣総理大臣や金融庁長官に勧告し、直接の監督職務をもつ地方理財局が処分を実施する。

 ベトナム証券法では、第8条において国家証券委員会(SSC)の任務と権限を規定している。同条のb)とc)が、行政処分を含む権限を規定している。

第8条 国家証券委員会

 1.国家証券委員会は、財務省所属機関として以下の任務、権限を有する:
 a)  証券活動および証券市場に関連する許可証、承認証を交付、期間延長、回収すること;証券活動および証券市場に関連する変更を承認すること;
 b) 証券取引所、証券取引センター、証券預託センター、および各補助組織の活動を管理、監察すること;投資家の合法的な権利と利益に影響を及ぼす兆候がある場合に、証券取引所、証券取引センター、証券預託センターの取引活動、預託活動を一時停止すること;
 c) 証券活動および証券市場における苦情申し立て、提訴を監査、監察、行政処分し、その解決をはかること;

 d) 証券活動および証券市場に関する統計、予測を実行し;証券および証券市場の分野における情報技術の現代化を進めること;
 e) 証券部門の幹部、公務員、職員層の養成・訓練機関、組織を組織化し、提携をはかり;証券と証券市場に関する知識を一般に普及すること;
 f) 証券、証券市場に関する業務規定と、関連する書式に指針を示すこと;
 g) 証券および証券市場の分野における国際協力を進めること。
 2.国家証券委員会の組織と管理運営機構は政府が定める。

 さらにベトナム証券法では、違法行為を次の第9条で列挙し、違反者は第118条において「違反の性質、程度に応じて、規律処分、行政処罰、あるいは刑事責任の追及を受ける;損失を招いた場合は、法律の規定にしたがって賠償しなければならない」とされている。

 ここでの疑問は、ベトナム証券法におけるSSCの権限と、いわゆる公安警察の権限の関係である。捜査権力について、どのような関係にあるのだろうか? おそらくカンボジアの証券法違反者は、CSECが司法警察と同じ権限をもつのだから、CSECから「呼び出し」を受けて、そのまま拘留・逮捕されることもあるのではないか? ベトナムはどうか?

 カンボジアでもベトナムでも法律が制定されても、その実施は未経験。個々の具体的な事例によって判断されるのであろうと想像される。

 次回は、カンボジア証券法の第3章 証券の公募と発行を紹介する。

|

« ロータス投資運用会社提供「ベトナム経済ニュース(20)」:最近の金融事情 | トップページ | 為替市場の規制と自由化:為替レートの二重性 »