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2008年6月11日 (水)

ロータス社・タイ社長のメールから:ベトナムの「生」の声

 ロータス証券投資ファンド運用管理会社のタイ社長とは2年以上のつき合いになる。才媛の奥様と1歳になろうとする息子さんがおられる。貿易大学の学生時代にベトナム国内数学コンテストで第2位になり、さらにシンガポールに留学。流暢で正確な英語には、いつも感心させられる。

 最近、彼とのメールのやり取りが頻繁になっている。ベトナム経済やベトナム株式市場の動向について、ベトナム現地の生の情報が欲しいからだ。その中の一部を以下で紹介する。

 越僑からのベトナム国内送金は、2005年に40億USD,2006年に48億ドル、2007年に55億ドル。2008年には65億ドルと予想されている。この数値は、銀行を通した公式の送金額であるから、非公式の送金を含めると2007年は約100億ドルとなる。私は公式で100億ドルと先日に指摘したが、ここで訂正しておきたい。

 株式市場の回復はいつになるか? 「価格の安い物は遅かれ早かれ上昇する」。当たり前であろうし、「遅かれ」では困るのであるが、ロータス社の投資方針が「長期」であるから、この視点は重要である。ベトナム経済や優良ベトナム企業の長期的・持続的な成長に懸念材料はない。この意味で、株価低迷の「今が買い」である。

 私も同席したことがあるが、契約期間1年以内を希望する短期志向の投資家に対して、新興市場において短期運用のリスクが大きいことをタイ社長は強調していたことが思い出される。ロータス社では最短でも2年間の契約期間であり、その延長も可能である。

 投資対象企業の収益性や成長性を分析し、会社訪問して経営者の考え方を確認する。こういった投資方針を彼は実践している。なお現在のタイ社長の主要な調査対象は国営銀行である。株価下落で、企業価値に比べて株価は割安になっている。ただし当然、個々の銀行の不良債権の多寡に留意しなければならない。

 私には、外国人投資家に対する銀行の株式所有制限・30%の緩和が、株価回復の契機になるように思われた。タイ社長によれば、こういった提案は実際になされたそうだが、当局の反応はないそうである。つまり、肯定も否定もない。株価低迷の継続や証券会社の経営破綻といった今後の状況に応じて、こういった規制緩和を含めた対策が実施されることは十分に予想される。

 すでに本ブログでカンボジアと比較して指摘したが、ベトナム証券法では、株式市場を国家が責任をもって管理することになっている。これまでのベトナムにおける投機志向・短期志向のマネーゲーム市場から、より安定した長期志向の市場に向けて、政府は試行錯誤をしながらも、徐々に誘導することを考えていると思われる。そのためには市場参加者や銘柄について量的な厚みが求められる。これは一朝一夕では難しい。

 こういった長期的なシナリオを読みながら、当面の潜在的な投資対象を考える。タイ社長が、ベトナム株式市場を先導する若き投資運用者であることについて私は心から応援したいと思う。

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