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2008年6月 8日 (日)

カンボジアの証券法について(4):ベトナム法との比較

第8条 CSEC長官の職能
 CSEC長官は次の職能を有する。
 1.カンボジア王国における証券市場の発展・規制・監督の運営支援をCSECに提供する責任を持った担当者や幹部職員を監督する。

 2.法律と関連規制の修正提案を始めとするカンボジア王国における証券市場の発展・規制・監督に関するすべての問題について、CSECの委員長と全委員に対して、日常に報告および勧告する。

 3.証券公募の申請を審査し、この法律およびCSECが規定した他の規制の要件に適合する申請を承認する。

 4.非政府証券発行の申請に関してCSECに提出された情報開示書類を審査し、この法律と商業会社法に関連する他の規制の要件を順守させ、提出書類を承認・登録する。

 5.公開有限会社および一般投資家向けの非政府証券の発行が認可された事業者の活動に関する財務・非財務情報およびその他の情報が、証券市場に絶え間なく情報開示されていることを監督する。

 6.公開有限会社および一般投資家向けの証券発行が関連法の要件を伴って認可された事業者の法令順守を監視し、重大違反の場合には適切に執行するための行動を取る。

 7.証券市場・清算決済機関・証券保管所に関して、CSEC長官は次のことを行う。
 a)この法律とCSECが規定した他の規則や規制の要件を申請者が満たす場合、認可申請書を検査・検討し、許可証を付与する。
 b)認可された市場・施設または保管所の施行規則のどのような改訂についても検査・検討・認可する。
 c)認可された市場・施設または保管所の許認可業者の活動が、その認可書およびCSECによって規定された法律と他の要件を順守するように監視される。
 d)認可された事業主体の認可書の疑わしい重大な違反またはこの法律要件の違反について調査し、認可の停止もしくは却下を含めて適切に執行するための行動を取る。
 e)認可書の認可または却下の前にCSECの懲罰委員会において協議する。

 8.証券会社と証券会社駐在員事務所に関してCSEC長官は次のことを行う。
 a)認可申請書が検討され、この法律の要件およびCSECによって規定された他の要件を申請者が満たす場合、許可証が付与される。
 b)営業許可書の条件を順守について財務状況を含めて許可証保有者の活動を監視する。
 c)この法律と商業会社法における事業活動の要件の順守について監視する。
 d)証券販売業者や投資助言者が自己規制組織として活動する事業者であることを公認するために申請書を検討し、申請者が規定の条件を満たせば、このような公認を付与する。
 e)自己規制組織による法令順守をその公認条件の観点から監視する。
 f)許認可業者の許可証または公認証に関する疑わしい重大な違反 この法律の他の要件の違反を調査し、許可証または公認証の停止または却下を含めた適切な執行のための行動を取る。

 9.証券業の取引に関する非合法的・非倫理的・不適切な実務活動を探査して抑止するために、この法律の下で認められているあらゆる合理的な手順を取る。

shineコメントshine
 (1) 以上から、カンボジアにおけるCSEC長官の権力集中と激務が想像される。さらに次回で紹介する第9条は、長官の権力(Power)を規定している。

 (2)第9条の8のd)では、CSEC長官が、「証券販売業者や投資助言者が自己規制組織として活動する事業者であることを公認するために申請書を検討し、申請者が規定の条件を満たせば、このような公認を付与する。」と述べられている。
 この「証券販売業者」と「投資助言者」が、どのような業務と会社であるのか確認が必要である。この条文を素直に読めば、証券会社の他にも証券販売ができることが想像される。また「自己規制組織」とは、おそらく定期的な内部監査や監査会社による外部監査が実施される企業であろう。この具体的な内容も確認されなければならない。

 (3)証券の公募は、届出制ではなく許可制にしている(第8条の3)。この証券法では、証券市場における公募を規制しているのであるが、より一般の株式会社の設立や、株式の私募による売り出しは、おそらく証券法の規制下にあるのではなく、商業会社法の規制下にあると思われる。商業会社法についても検討が必要である(第8条の8のc))。

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