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2008年6月 2日 (月)

カンボジアの証券法について(1)

 カンボジアでは2009年半ばに経済財務省の傘下でカンボジア証券取引委員会CSEC:Canbodia Securities Exchange Commission)を設置する計画である。その準備として、2007年9月12日に「非政府証券の発行と売買に関する法律」(以下、証券法と略記)が国会で成立した。

 以下では、この法律についてベトナムの「証券法」との対比させることによって、その特徴をいくつか指摘する。出所は、カンボジア証券法については、同国の経済財務省から提供された非公式の英語版、ベトナム証券法については、日越経済交流センター・伊藤幹三郎氏の翻訳に依拠している。なおベトナム証券法は、同センターから『ベトナム法令集』として近刊予定である。

 土曜日の勝悦子先生(明治大学)のご指摘では、カンボジア経済の水準では銀行システムの整備が優先されるべきであり、証券市場は時期尚早ということであった。合理的な経済判断から考えれば、私も賛成である。ただし、カンボジアにもANZ銀行など外資系銀行が合弁形態で進出しているし、いくつかの財閥傘下の銀行間の競争も存在している。これまでに銀行倒産もあるが、徐々に銀行システムは安定しているという状況だと私は理解している。

 それにしても確かに時期尚早と思われる証券市場の開設について、カンボジア政府には政治的な判断があったと想像される。隣国ベトナムが、証券市場の開設によって、中小民間企業の経済活動を活性化し、さらに国営企業の株式会社化や民営化を促進した実績があるからである。

 すでにベトナムが経験したように証券市場がマネーゲーム化し、その後に株式市場が低迷したり、過度のインフレに苦悩したりする多数の「経済リスク」が伴うとしても、証券市場が経済活動を活性化することは間違いない。ベトナム・ラオス・カンボジアを民間企業のみならず、日本政府も「開発の三角地帯」と呼んで注目をしている。この機会に、カンボジアで株式市場を開設すれば、大量の資本動員が期待できる。

 おそらく隣国ベトナムからのカンボジア株式投資がありうる。さらに韓国がカンボジア証券市場開設のためにODA支援している。韓国からの投資は、すでに不動産部門で顕著であるが、それが株式投資にも向けられることは必至である。少なくとも株式市場開設の当初は順調な成長が予想される。

 その後の展開は、ベトナムの実例が参考になるであろう。すでにカジノが公認されているカンボジアでは、過剰なマネーゲーム市場が予想されるのであるが、それが市場メカニズムである。その調整・管理・規制が、上記のCSECに期待される。では、次回からカンボジア証券法の条文を検討してみよう。

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