« カンボジアの証券法について(4):ベトナム法との比較 | トップページ | カンボジアの証券法について(5):ベトナム法との比較 »

2008年6月 9日 (月)

ベトナム・ロータス社から緊急メッセージ:ベトナム通貨危機は心配ない!

 ベトナムが、1997年のタイ国のような通貨危機に見舞われるという憶測がある。これについて、すでに私は謬論であるとして反論した。越僑からの送金(約100億ドル)は、ベトナム国内に継続して滞留する資金であり、その資金の海外引き上げはありえないと指摘した。さらに通貨危機について、ハノイのエコノミストの見解を紹介する。筆者の求めに応じて、ロータス証券投資ファンド運用管理会社タイ(Nguyen Duc Tai)社長が回答した内容である。

 われわれの観点から見れば、ベトナムにおける通貨危機の可能性は少ない。なぜなら危機はしばしば「群衆効果:herding effect」によって起こるからである。それは、多数の人々が1つの方向に一緒に動くことであるが、そのような動きの理由が合理的かそうでないかは問題でない。

 多数の外国人のポートフォリオ投資家が、その保有証券を売却して、USDに変換して、それらを他国に持って行くならば、ベトナムで通貨危機は起こるであろう。しかし、ベトナムの証券市場は低い流動性によって低迷しており、多数の外国人ポートフォリオ投資家は長期志向であるから、これは起こりそうにない。事実、ここ数ヶ月に渡って(多くの他の市場で彼らは売ったけれども)、彼らは売りよりも買い越しであった。

 工場のような設備を所有する外国人直接投資家については、撤退する可能性は非常に小さい。それが容易でなく、高価だからである。(これは、ほとんどの投資者がその時に外国直接投資者であるので、ベトナムや中国が1997年の金融恐慌によって最も影響を受けなかった理由の1つである。当時のほとんどの投資家が外国直接投資家だったからである。)。成長するFDI・ODA・労働者送金は、増大する貿易赤字を相殺することに役立つかもしれない。

 貿易赤字の原因ともなっている輸入機械は、翌年には輸出拡大に役立つかもしれない。政府が強硬手段を取るならば、貿易赤字を減少させることもできた。またベトナムの短期負債は、GDPの約8.6%であるが、ゴールドマン・サックス社によって言及されたように、タイ国の数値は1996年においてGDPの約26.3%であった。

 ヘッジファンド(投機家)が、為替レートを政府が変動相場制にしてVNDが大暴落し、広範囲な影響の事前に先物契約するという予測に基づいて、ベトナムを攻撃するという可能性は小さい。なぜならベトナムは外国通貨の変動を厳格に管理しており、またベトナムは為替レートを変動相場制にする必要がないので、その実現はほとんどないためである。

 以上、われわれはベトナムで通貨危機が発生すると思わないし、より正確に言えば、通貨危機の可能性はわずかである。

shineコメントshine:ベトナム金融危機を回避するための最後の拠り所は、ベトナム政府が為替市場を管理しているということであるように思われる。ベトナムでは自国経済を守るために政府の仕事が残されている。食糧やエネルギーの価格高騰の原因が、世界的な投機マネーであり、その規制の必要性が指摘されている。ベトナムの米輸出の規制も、こういった投機マネーから国内市場を守るという趣旨であった。どのように市場に対して政府が関与するか。新自由主義に基づく市場経済の再検討が求められている世界の潮流の中で、ベトナム政府の動向は注目に値する。

|

« カンボジアの証券法について(4):ベトナム法との比較 | トップページ | カンボジアの証券法について(5):ベトナム法との比較 »