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2008年5月13日 (火)

「敵」の孤立化は勝利の鉄則:ベンタイン市場の教訓

 13日(火)の早朝・午前7時に関空に帰ってきた。1時間目・午前9時から講義があるために、関空から神戸市西区学園都市までタクシーを利用した。おかげで8時30分前に着いた。「時間がお金」と考えれば、9時までの時間をお金と交換してほしいと思った。

 2回の講義(経営学入門・企業論)の後に、三宮と大阪で企業の方々との面会があった。かなり多忙な1日であった。しかし特に疲れたとは思わないし、睡魔に負けるというほどではない。よく学生が講義で居眠りすることがあるが、その原因のひとつは、やはり緊張感の欠如なのだろう。緊張感のある講義。これが目標だ。

 さて今回のベトナム訪問中、ホーチミン市の観光名所になっているベンタイン市場で、次のような印象深いことがあった。われわれ日本人5名で市場のお店を物色していたが、Tシャツを買うと言うことで、日本人S氏がベトナム人の店員につかまった。

 私を含めた同行4名は、当然、S氏の買い物をサポートしようとするのだが、それぞれの日本人に店員が対応して、買い物をしようとするS氏の間に割って入って、サポートを阻止しているように思われた。これは、後から気がついたことであって、その時は、ごく自然に店員が対応しているように感じた。私もベトナム人店員と世間話をしたり、他の日本人の買い物の相談をしていて、S氏の買い物サポートを失念していた。

 しばらくしてS氏に買い物の結果を聞けば、通常の数倍の高い値段であった。まさか私は、お金をS氏が払ってしまうと思っていなかったので「エーッ」と思ったのだが、ご本人は「寄付金を払ったみたいなものだから」と余裕であった。ここで私が、「高いヤンケ。カネ返えさんかい」と一暴れしてもよかったのだが、それはS氏の悠然とした態度とは不釣り合いに思われた。また、自分で交渉して買うことが買い物の楽しみであるとすれば、その結果も自分の苦い想い出になる。

 以上のようなベトナム人店員の対応が意図的であるとすれば、それは恐るべき販売技術だ。グループのお客を分断化・孤立化させて、それぞれを攻める。集団全体を一気に殲滅するといった攻撃ではなく、各個撃破の作戦である。この販売技術は、たとえば住宅販売の場合、家族の中で子どもに焦点を当てた販売をするとか、お母さんに気に入ってもらう販売促進をするとか、お父さんの書斎を強調するといったことに類似している。

 このベンタイン市場の販売技術について、それが本当かどうか。この仮説を検証する必要があるが、面白いテーマであると思う。なお、S氏の次の買い物(購入した数10枚のTシャツを入れるカバン)については、しっかり私が値切ったことは言うまでもない。

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