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2008年4月 3日 (木)

ベトナム政府の株価下落対策:公的資金の投入も当然だ

 ベトナム株価指数の下落に対して、ベトナムでは次のような対応策が実施されている(2008年3月26日、各紙の報道)。それらが有効に機能することが期待される。また有効でないとすれば、それはベトナム株式市場の特殊性を示すことになる。

 私見では、ベトナムは証券知識の普及活動が必要である。これまでの不動産・金という投機対象に加えて、株式が追加されたという認識しか大部分のベトナム人はもっていないのではないか。株式市場の経済機能や、株式会社の構造などの知識が普及されなければならない。そうなれば、企業統治(コーポレートガバナンス)の意義が理解される。その企業統治の前提として情報公開や経営透明性が不可欠となり、さらに説明責任という概念も浸透する。

 ベトナム証券業界は、資金を出し合って、こういった証券知識の普及運動を全国に展開するべきである。「どの株式が儲かるか」といった「ギャンブル情報」ではなく、株式市場や株式会社に関する知識を広く普及させる。このことが、投資家のすそ野を広げるであろうし、より長期投資を志向するベトナム人投資家も増やすことになる。これが、ベトナム株式市場の持続的な発展に貢献すると私は思う。

1.ズン首相の指示
  国家資本投資経営総会社(SCIC)は市場安定のために主力銘柄の株式を集中して購入する。私見⇒SCICは国家持株会社であり、国営企業の株式を所有している。同社が市場の株式を購入し、株価下落に歯止めをかける。日本の事例で言えば、公的資金の投入である。

  国家銀行は商業銀行に対して、資金回収の手段として担保証券を売却することを一時停止するように指示する。私見⇒商業銀行の株式売却を制限する目的である。

  商業銀行が一時的な資金不足の状態に陥った場合、国家銀行は年9%の金利で貸し付ける。国家銀行は商業銀行から合法な外貨(間接投資の外貨も含まれる)購入を推進する。私見⇒株式売却できずに資金不足の懸念がある商業銀行の経営を安定させるために国家銀行が特別に対処する。

  上場企業が株式市場から自社株を買い戻すことを許可するが、この買い戻しは登録資本の増資に関する現行規定から除外される。私見⇒自社株買いを許可。

  公安省は株式市場でデマを飛ばして投資家に悪影響を及ぼす行為を厳罰に処す。私見⇒言飛語や情報操作を禁止する。

  情報メディア省は国民が株式市場の発展に関する政府方針を理解できるように、各メディアに対して客観的な報道を指示する。私見⇒政府による報道統制とも言える指示である。

2.国家証券取引委員会(SSC)の対応
 上場銘柄の値幅制限を強化する。個別柄の1日の変動幅をホーチミン証券取引所(HOSE)では5%から1%に、ハノイ証券取引所(HASTC)では10%から2%にする。

 以上の株価対策について、政府は商業銀行の経営に配慮している。それはインフレ対策を商業銀行に強制しているからである。株価上昇とインフレ抑制を同時に進める。これは難しい課題であろう。このインフレ対策について、次回は紹介する。

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