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2008年4月 6日 (日)

剣客商売と学者商売

 『剣客商売』は池波正太郎の代表作のひとつと言ってよいだろう。江戸の風物や名物料理が、それぞれの物語の中にさりげなく挿入され、それが池波の独自の世界を作り出している。日本の江戸文化を感じ取ることができる名作である。

ドラマ/剣客商売: 第五シリーズ: 9話: 10話 ドラマ/剣客商売: 第五シリーズ: 9話: 10話
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 主人公の秋山小兵衛は、剣客の世界から引退しているのだが、その腕は今も健在という設定である。この秋山小兵衛は「必殺シリーズ」と並ぶ藤田まことの当たり役と思われる。剣を取った時の厳しさと日常の柔和な表情の落差が、必殺シリーズの中村主水と同様に、藤田の持ち味を十分に発揮させる。余人をもって代え難い適役である。TV・CATVで何度も放映され、DVDが発売中。レンタルDVDもある。

 このDVDを見ていると、剣客商売とは、剣客という厳しい修行の世界から脱力して、悠々と生活を楽しむ生き方を表現している。かといって剣客の姿勢や矜恃が消滅したわけでもない。剣客として、さらに人間としての生き方を踏み外してはいない。剣の道を一筋に歩む柳生十兵衛や柳生連也齋のような剣客もいれば、秋山小兵衛のように老後を「第二の人生」として楽しもうとする剣士もいる。後者は、より人間的であり、一般の人々から見れば、より身近な存在である。

 この「商売」という日本語には、「ビジネス」という外来語にはない楽しさや猥雑さを感じる。恵比寿さんのお祭りでは「商売繁盛で笹もってこい!」であって、やっぱり「ビジネス繁盛」とは言わんわな。

 このような意味で、「学者商売」を今年度の私の課題としよう。自己に厳しく禁欲的に研鑽を積み重ねる修行の道を歩む「学者」もいれば、そうでない学者がいてもよい。学ぶこと自体の知的な楽しさや、新しい事実を発見する驚きや感動を楽しむ学者を目標としてみたい。肩を張らない。気負わない。無理しない。楽しく仕事する。そうすれば、学生も楽しく勉強するだろう。「学者商売」。この意味を「実学」とともに追究してみよう。

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