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2008年4月17日 (木)

ベトナム金融政策に提言:金融引き締めの継続とベンチャー投資の促進

 昨日に続いて、ベトナムの金融政策および経済政策について私見を述べる。

 ベトナム政府は、インフレ抑制のために高金利政策(預金金利11%)を採用している。それでも企業の資金需要は旺盛であるから、金利15%を超える融資であっても企業は甘受する。この高い資本コストが製品価格に転化されると、さらにインフレは加速する。このような「悪循環」の論理が、昨日のブログで紹介された。

 ここで、銀行融資ではなく、エクイティ=ファイナンス(新株発行を伴う資金調達)を通して企業の資金需要を賄うと考えてみよう。そうすれば、資本コストは大幅に低下する。したがって「悪循環」は断ち切られることになる。

 さらに、このエクイティ=ファイナンスの出資者がベンチャー型外国投資ファンドであるとする。こういった投資ファンドは通常、投資先企業(Investee)を選別し、さらに株式上場を支援する。すなわち、優良企業および潜在的な成長企業に投資を限定する。

 これらの優良企業は、同業他社に比較して、この時期にこそ大きな競争優位性を獲得できるであろう。これは経済成長の維持に貢献すると同時に、非効率的な企業を淘汰することにもなる。結果として、ベトナム経済の国際競争力を高める

 経済成長を維持しながら、インフレを最小限にする。この難問を解決するためには、実物市場から流通資金を吸収する伝統的な手法を機械的に採用することは新興国では疑問である。企業の成長意欲が強いために資金量が減少しないからである。

 幸いにしてベトナムには株式市場がある。株式公開を推進し、外国投資資金を受け入れる。こういった企業が経済成長を先導する。この資金供給は限定的・選択的であるから、インフレを最小限に抑制できる。エクイティ=ファイナンスの活性化はインフレを一時的に加速するように思われるが、それは全面的でなく部分的である。不良企業には資金が向かわないからである。

 インフレ抑制のための高金利が継続するが、成長性ある優良企業は外国投資ファンドからの資金供給を低コストで受けることができる。これは企業の経営改革を促進する。この役割を果たすのが、外国投資ファンドである。以上は、このような見解である。

 このために政府は、株式公開を推進するための税制上の優遇策を導入する。こういった施策が求められる。

 注:私見では、不動産価格の下落は、この1年内で発生する。ベトナム政府が、地価高騰に対する国民の不満を無視できなくなると思われるからである。近近に、不動産の投機と騰貴の抑制が強化されるのではないか。

 

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