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2008年3月 1日 (土)

ベトナムの賃金体系

 昨日、WTO加盟によって外国企業とベトナム企業の最低賃金が同一になったと指摘したが、それは未だ達成されていない。両者の同一賃金が目標とされるが、それは現状においてベトナム企業の競争力を減衰させることになる。

 何事も民意を吸収しながら、徐々に改革するベトナムらしい施行手順である。かつてベトナム航空料金も外国人とベトナム人は格差があった。同じ人間で差別だという批判があったが、その反論は「ベトナム人は貧乏だから」という理由であった。しかし、このような格差も段階的に解消された。スピードは遅いが、摩擦を最少にする。これがベトナム政府の「手口」である。

 以下にベトナムの賃金体系の資料を提示するが、これはロータス証券投資ファンド諮問委員会竹岡さん三洋電機ホームアプライアンス=ベトナム元社長)の指摘である。竹岡さんとは昨年の学生スタディツアーに同行していただいた。初めてホーチミン市でお目にかかって、もう10年になる。ご厚情に感謝を申し上げたい。

最低賃金
 1.国の機関や軍隊・治安組織、政治組織、社会組織、公的機関などの公務員の最低賃金は一律54万ドン(約3,913円)となる。新卒の大卒者で国家機関に就く者の場合、1ヶ月の最低賃金は現行より21万ドン(約1,522円)多い126.3万ドン(約9,152円)が適用される。
 2.企業は、現行と同じように地域ごとに1種・2種・3種に区分される。
外資系企業で、1種:100万ドン(約7,246円、上昇率15%)、2種:90万ドン(約6,522円)、3種:80万ドン(約5,797円)。
国内企業で、1種:62万ドン(約4,493円、上昇率38%)、2種:58万ドン(約4,203円)、3種:54万ドン(約3,913円)。
 規定によると、最低賃金は、通常の労働条件においても最も単純な職務を行う者に対する最低の賃金ラベルで、企業による人材育成を含め、専門教育を経た労働者に対して対しては最低賃金より少なくとも7%高いレベルとしなければならない(2007年11月、政府発表)。

 なお外国企業の職員採用については別途に賃金の規定がある。この後者の賃金規定については、たとえば「ベトナム人通訳の最低賃金は300ドル」という内容である。この規定の存在の有無を疑問に思っていた。今回、カンボジアでベトナム投資に関する次の著書を購入した。Mekong LAW REPORT, Vietnam Legal & Investment Guide 2007 Edition, DFDL MEKONG.その規定も以下に列挙しておく。

 外国人契約者は次の職種に応じた最低賃金(月額・ドル)を支払う。
・上級エンジニア:1,000
・主要エンジニア:  700
・エンジニア: 500
・通訳者:  400
・技能者(テクニシャン): 350
・秘書: 250
・事務員: 200

 実際の日系企業は、これ以上を支払っている場合が多く、この規定はほとんど気にされないし、こういった賃金は労使双方で自由に決定できるという意見もある。他方、以前に外国駐在員事務所のベトナム人代表の最低賃金が500ドルというベトナム人弁護士の指摘を紹介した。以上の意味が私には依然として不可解である。

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