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2008年2月15日 (金)

ベトナム人と中国人の関係は?:ベトナム進出の留意点

 神戸の流通科学大学に昨日、ベトナム進出を希望される会社幹部の方が来られた。ベトナム関係のご相談は通常、大阪・梅田の日越経済交流センターで引き受けることにしているのだが、今回の場合、梅田よりも大学所在地の神戸西区が会社に近いという事情があった。

 すでに同社は中国に進出し、20年近い生産を継続している。日本で生産活動はしていない。中国国内の生産は、たとえ沿岸部の人件費が高騰しても、内陸部に移動すれば可能と考えていた。しかし増値税が上昇し、人件費の高騰も継続している。さらに中国政府は委託加工生産を歓迎しない方針が露骨になってきた。

 そこでベトナムに進出したいという話である。なお上記の増値税とは、簡単に言えば、流通段階でかかる付加価値税である。http://www.k3.shigaplaza.or.jp/chugoku/bz/d-1.html 輸出する場合は還付されるのだが、全額の免税にならない。

 同社がベトナムに進出することは可能だと思うが、実際の操業時には当初、現在の中国工場の中国人技術者がベトナムに派遣されて、ベトナム人労働者を指導する計画だそうである。ここに問題はないか?

 一般にベトナム人と中国人の関係は、それほど友好的というわけではない。このブログでも指摘したように、領土問題に関して中国大使館に対する抗議デモが昨年にあった。中国文化の影響を強く受けながらも、中国支配からの抵抗の歴史をベトナムはもっている。ある有力なベトナム人に聞くと、「今はいいが、将来は心配」というのがベトナムと中国の関係である。

 ベトナムの工場において、ベトナム人労働者と中国人技術指導者が良好な関係を維持できるかどうか。一般論として工場現場での留意点は次のとおりである。
 (1)若い優秀な労働者を抜擢する場合、年長者に注意できない場合があるので日本人経営者の応援が必要である。
 (2)注意する時は他人の前でなく別室にする。ベトナム人のプライドに配慮する。
 (3)仕事ができない理由は、能力がないのではなく知識がないから。馬鹿にしないで根気よく教える。
 (4)成果主義は情報を公開して公平感・納得を全員が受けるようにする。
 これらは一般論であり、おそらく中国でも妥当することである。

 さらに今回の場合の日本人社長は、工場指導者である中国人に任せないで、積極的に労働者との接触を図るべきであろう。ベトナム人労働者に日本の会社であることが自覚できるようにする仕組みが重要であると思う。

 ベトナム人と中国人。かなり微妙な人間関係だと思うのだが、それは私の杞憂であろうか。この案件を今後は念頭において調査してみたい。

 

 

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