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2008年1月 6日 (日)

ベトナム輸入食品の法律違反問題に緊急対策を!:年初に当たって日越関係を考える

 『週刊現代』(2008年1月19日、pp.30~31)は、厚生労働省が発表している「輸入食品等の食品衛生法違反事例」において、この1年間を見れば、「ベトナムはアジアの中で、中国に次いで2番目に違反事例が多い国」であり、「違反農薬や土壌汚染、衛生環境の問題など中国に負けず劣らずの状況である」と指摘している。

 ベトナムの輸入食品における違反事例は、中国に隠れてはいるが、頻発している。この問題について、ベトナム政府は「どけんかせんとあかん!」。

 数年前のSARS問題では、中国が被害実態を隠蔽しようとしたことが世界から批判されたのに対して、ベトナムは情報公開を徹底し、その終息に向けた政府の迅速な対応が高く評価された。

 SARS問題におけるベトナム政府の対応は、その国際性や徹底性を世界にアピールした。その結果、ベトナムの政治体制(または「政治体質」)が中国よりも民主的で安定しているという認識を広めたと私は思う。

 ベトナム政府は、SARSや鳥インフルエンザと同様の危機感をもって、この輸入食品違法事例の対策に緊急に取り組むべきである。今のベトナムにとっては、中国には申し訳ないが、「中国と違ってベトナムは安心」という信頼感の醸成が最も必要である。それが「ベトナムブランド」の形成に貢献するし、中国に対する差別化になる。

 「中国よりも人件費が安い」という皮相的・短期的な動機ではなく、日本人と親和的で勤勉なベトナム人の優位性が評価されなければならない。「アジア諸国の中でベトナムが最も安心で信頼できる」という評価を受けることが、ベトナムに対する日本からの投資を促進する。

 中国に次いで2番目の違反事例件数では、ベトナムの競争優位性が構築されそうにない。違反事例に関するベトナム側での徹底した調査と情報公開が求められる。そのための組織や人員をベトナム政府は早急に準備しなければならない。それが難しければ、独立したNPOやNGOまたは民間組織がベトナム政府に代わって活動してもよい。

 世界一厳しいと言われる日本の「食品衛生法」を批判するのではなく、それをクリアしてこそ、ベトナムブランドは確立する。このような積極的・肯定的な意識をもった新しい政策または指導をベトナム政府に期待したい。

 最後に付言すれば、ベトナムの違反事例については、日本の貿易会社・輸入業者の責任も指摘しなければならない。日本側の責任で、違法な輸入が防止されて当然である。もし仮に日本企業側の「無理な価格要求」が、ベトナム企業を不正に誘導しているとすれば、それはベトナムだけでなく、ベトナムにおける日本の信用を失墜させることになる。

 昨年の「カントー橋」崩壊事件は、ベトナムにおける日本企業に対する大きな信用失墜であった。ベトナム人は、それほど厳しい日本に対する批判を言わないのだが、そうであるからこそ、日本自身が自戒・自省することが重要である。このような理念・対応・矜恃が、世界における日本そして日本人の独自性・差別化の源泉ではないのか?

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