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2007年11月30日 (金)

ロータス投資運用会社提供「ベトナム経済ニュース(25)」:注目されるベトナム上場株(4)

 PAC(南部バッテリー株式会社)は、2006年にベトナムの上位100の強い商標だと評価された。

 同社のバッテリー製品は国内市場の主導的役割を果たし、外国製品に対して有効に競争している。

 2007年の年初9ヶ月の税引後利益が285億VNDを達し、大きな成長を見せた。現在、同社は国から譲渡された使用期間50年間の51,0566 m2の土地を所有し、その他に20,352 m2の50年使用可能の賃貸不動産も所有している。

 コメント:同社の商品が外国製品に対する価格競争力をもっているとしても、技術開発力は未知数である。もし積極的な研究開発投資をしなければ、近い将来に本業での国際競争力が低下するであろう。ベトナムにおける不動産所有は、かつての高度成長時代の日本と同様に企業価値を高めるが、どのようにその価値を活用するのかが問題である。

 株式公開をして、そこから調達された資金が何に使用されるのか。この問題を経営者に面会して確認する。こういったことができれば最善だ。ベトナム株式投資は長期持続の戦略が正当であると思う。しかし、その場合の持続的な企業成長の原動力は、研究開発や技術導入のための投資である。それが不十分であるなら、長期的な企業成長は望めない。

 国際競争力を強化するためにベトナム企業は、外国企業からの技術移転・技術指導を積極的に、さらに言うならどん欲に受け入れるべきである。それは中国が既に行ってきた。「中国で技術が盗まれる」と日系企業の中で評判になった。それほどまでに技術移転をしたにもかかわらず、日本側が経営の主導権を掌握できない。このようなことに日本企業の不満があったと思われる。他方、それほどまでに技術を吸収したからこそ、中国企業の国際競争力が飛躍的に高まったと考えることができる。

 ベトナムと日本は、相互に信頼できるパートナーとしての関係を構築するべきであろう。そのために相互理解を促進する。人的な交流を拡大する。ベトナム企業と日本企業の間で互恵的な関係が拡大する。この基本的な方向性を双方が見失ってはならない。

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2007年11月29日 (木)

日本ベトナム経済交流センターがチェット国家主席(大統領)から表彰される

 11月29日、ベトナム初の国賓として来日中のチェット大統領は東京から大阪に移動した。東京では福田総理大臣と会談し、EPA(経済連携協定)の早期締結で合意した。また福田総理大臣からは、日本のODAによって建設中のカントー橋の崩落事故について謝罪表明があった。

Photo04_13  大阪のニューオオタニ=ホテルのロイアルスイート=ルームに滞在中のチェット大統領を、日越経済交流センター理事長代行・事務局長の織田公文が訪問した。

 これまでの友好親善の活動に対するベトナム政府からの感謝をの気持ちが記された表彰状を受け取るためである。この表彰の対象は、Photo01_10 日越経済交流センターと同センター会長の人見美喜男氏である。参照:http://www.j-veec.jp/index.htm

 上図の左端は、ビン外務次官(次期の駐日本ベトナム大使)である。下図の左から、織田理事長代行兼事務局長、中央にチェット国家主席、右端はベトナム大使館のソン書記官。

 すでに人見美喜男会長は、ホーチミン市名誉市民賞を受賞しているが、今回は日越経済交流センターが団体として表彰を受けた。同センターの副理事長として名誉であるし、また感激である。ベトナムに対して今後、さらなる経済交流の促進に貢献できればと思っている。

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2007年11月28日 (水)

ロータス投資運用会社提供「ベトナム経済ニュース(24)」:注目されるベトナム上場株(3)

 FPT(FPTテクノロジー投資開発株式会社)は、上場企業であり、ベトナム情報通信技術会社のトップ会社である。株価収益率200倍を超えた驚異的な人気企業である。現在は、30倍を超える程度に落ちついている。

ベトナムIT企業の中でトップを占める具体的な分野は、下記の通りである。

 ・ソフトウェアサービス:FPT Software
 ・ソフトウエア加工輸出:FPT Software
 ・Online Gameサービスの提供: VinaGame
 ・通信技術人材教育:Aptech Viet Nam
 ・ベトナム商標パソコン:FPT Elead
 ・電子ページ: VnExpress.net

特にFPT Telecomのインターネット=ブロードバンド=サービスは、パソコン世界雑誌『PCワールド』の2006年7月号に「2005年に最も人気の情報通信技術商品」だと評価された。

 同社の平均売上増加率が年間100%以上、税引後利益も70%以上であり、株主資本の45%以上の利益が持続されている。

 コメント:今年の夏に私はFPTグループのFPT証券会社を訪問した。若手経営者の熱気を感じさせる企業であった。一時の異常な株価高騰も収まり、これからの着実な成長が期待される。

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2007年11月27日 (火)

ロータス投資運用会社提供「ベトナム経済ニュース(23)」:注目されるベトナム上場株(2)

 TRC(Tay Ninhゴム会社)は、ゴム業のマーケット・シェアの4.17%を示している。世界の石油価格の高騰、資源関連としてゴムに対する世界の需要も高まっているために、天然ゴム業の優位性が益々増加していくであろう。

 同社は、大きな成長率を維持している。年間の売上と税引後利益が40%以上増加している。

 2006年の税引後利益は1,430億VND、2007年の年初9ヶ月の税引後利益が1,150億VNDに達している。年間の利益が株主資本より35%以上も上昇した。

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 資源関連株の代表的な上場銘柄のひとつである。ホーチミン市からダラットやファンティエットに向かう途中、その車中から両側を見ると、整然と植林されたゴムの森が見ることができる。資源国ベトナムを実感できる。

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2007年11月26日 (月)

ロータス投資運用会社提供「ベトナム経済ニュース(22)」:注目されるベトナム上場株(1)

 好評に応えて、ベトナム現地法人・ロータス投資運用会社が注目するベトナム株式を紹介する。先週は未上場株であったので、今週は上場株である。

 BMP(ビン・ミン・プラスチック)社のマーケット・シェアは、国内のプラスチック・チューブ市場の20%に達している。

 中部から南部にかけてプラスチック・チューブに関してビン・ミン・プラスチック社が独占的な位置を占め、プラスチック・チューブ業を始め、プラスチック業の中でも有名な会社である。

 マーケット・シェアを拡大するために、近い将来にカンボジアに代理店システムを開設する予定である。さらに同社は、アメリカ・オーストラリア・ニュージーランド市場などへの輸出を目指しており、現在、いくつかの商品提供の契約を締結した。

 生産能力から見ると、同社は最大級であり、2007年の年末に完成予定のフンイェン省での工場建設プロジェクトは、北部市場の拡大計画の一環である。

 同社の2006年の売上高と税引後利益は2005年に比べて、それぞれ19%48%増加し、2005年は2004年比でそれぞれ25%102%増加しており、売り上げと利益の成長性を維持している。

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 私見では、ラオスとカンボジアに関心をもっているベトナム企業は成長する。たとえば日系企業であるエースコック=ベトナム社は、すでにラオスとカンボジアに代理店をもっている。ホーチミン市の日系企業ビナキョウエイ社(共英製鋼)は、すでにカンボジア販売を開始している。ホーチミン市の民間企業マイリン=タクシーは、ホーチミン市とプノンペン市の間にシャトルバスを走らせている。

 東西経済回廊の開通に伴って、ベトナム~ラオス~カンボジア~タイ~ミャンマーまでが一体化した経済圈を形成すると指摘されている。この動向に敏感に反応するベトナム企業は、その情報収集力・意思決定力・分析判断力の優秀さを示しているように思われる。それだからこそ私は、ベトナム企業を評価する場合、隣接するラオスとカンボジアい対する取り組み状況を見ることを勧めたい。

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2007年11月25日 (日)

ロータス投資運用会社提供「ベトナム経済ニュース(21)」:ベトナム証券マンの研修制度

 ベトナム現地法人・ロータス投資運用管理会社投資家広報(IR)担当のタインさんからメールが送られてきた。以下で紹介し、コメントを少し加えよう。

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 証券会社・投資運用管理会社が、お客様である投資家のご期待・ご要望に応えられるためには、株式に関する専門能力だけでなく、会社における管理能力も重要な要素だと言われています。

 自習も大切ですが、国家証券委員会や専門の教育センターなどによって開催される研修コースやセミナーに参加することも非常に大事だと思います。

 先週の木曜日と金曜日に「証券科学研究・訓練センター」において「ポートフォリオ管理技能」コースが開催されました。これは。証券会社そして特に弊社のようなファンド運用管理会社にとって役立つ研修コースです。弊社のタイ社長および内部監査担当者が参加することになりました。

 本コースの講師はタイ人の証券市場専門家です。投資プロセスを始め、金銭管理・リスク管理などポートフォリオ管理において直面する問題に集中した講義内容でした。ベトナムにおいて証券市場は未だ新しい業種であり、ポートフォリオ管理は経営者・運用担当者にとって依然として新鮮なテーマです。このようなコースの開催が、今後も大いに期待されています。
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 コメント:このような研修コースがベトナムでは頻繁に開催されている。たとえば証券会社・投資運用管理会社の新しい従業員は、証券業務についての新人研修を受けなければならない。ベトナム証券業界にとって人材育成は最優先の課題である。それを政府も認識しているからこそ、このような研修コースを開催している。

 ベトナム株式投資ファンドにおいて、ベトナムで国家証券委員会の認可を受けていない投資会社を設立し、それを日本からの資金の受け皿にして投資運用している事例がある。この場合、どのように投資運用しているのであろうか。

 ベトナムのディープな投資の世界全部を外国人が知ることは不可能に近いから、情報収集はベトナム人に任せることになる。それでは、このベトナム人は、どのような人物でどれだけの知識と能力をもっているのであろうか。少なくとも、上記のような研修コースを受講しているようには思われないのだが、どうなのであろうか。いずれにせよ、証券業界は人材がすべてと言ってもよい。

 

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2007年11月24日 (土)

「ベトナム株の鉄人」とは?

 「投資入門講座」というHPがあり、その中で私が「ベトナム株の鉄人!」として紹介されている。参照:http://www.toushinotetsujin.com/

 「投資信託の鉄人!」である中内丈滋氏から「先生を紹介したいのですが---?」という依頼があったので、特に何も考えずに快諾したのだが、まさか私が「鉄人」になるとは思わなかった。

 ベトナム株式投資と言えば、畏友・福森哲也氏が専門家であると思う。福森氏は昨年に『日本人が知らなかったベトナム株』、今年になって『ベトナム株投資完全マニュアル』を出版されている。

日本人が知らなかったベトナム株 Book 日本人が知らなかったベトナム株

著者:福森 哲也,鏑木 創
販売元:翔泳社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

ベトナム株投資完全マニュアル [本気の海外投資シリーズ6] (本気の海外投資シリーズ 6) Book ベトナム株投資完全マニュアル [本気の海外投資シリーズ6] (本気の海外投資シリーズ 6)

著者:福森哲也
販売元:パンローリング
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 後者の著書の中には、私が投資諮問委員会の委員長をしている「ロータス投資運用管理会社」が紹介されている。

 私について言えば、第60回日本証券経済学会(2006年6月10日、獨協大学で開催)において、ベトナム株式市場について報告した。日本の学術団体でベトナム株式市場を初めて紹介した。また拙著『乗り遅れるなベトナムビジネスがいま熱い』でも、ベトナム株式市場を紹介している。この拙著の出版は、上記の福森氏の『日本人が知らなかったベトナム株』の出版よりも18日だけ早い。

乗り遅れるな!ベトナムビジネスがいま熱い Book 乗り遅れるな!ベトナムビジネスがいま熱い

著者:上田 義朗,ブレインワークス
販売元:カナリア書房
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 ベトナム株式について18日だけ早く紹介しただけで「鉄人」とは、かなり「こそばい」感じがする。「鉄人」は福森さんが適任である。もっとも私にとって、ベトナム現地法人「ロータス投資運用管理会社」は私の「分身」のようなものである。同社の情報力と分析力は、福森氏が後者の著書で認めるようにベトナム最優秀であると思われる。それは、これまでの運用実績(トラッキング=レポート)が証明している。

 もし私が「ベトナム株の鉄人」であるなら、それは私の「分身」のおかげである。子どもが評価されて、親がほめられているような気分である。より適当な私の肩書きは「怪人」とか「変人」であろう。そう言えば小泉元総理大臣も「変人」だったような気がするな---。

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2007年11月23日 (金)

ロータス投資運用会社提供「ベトナム経済ニュース(20)」:注目の未上場株式(4)

 Hoang Anh Gia Lai社は、室内外の高級装飾用木製品、自然グラニット、ゴムの木の樹液などを製造し、同社の製品はアジアを始め、ヨーロッパ・ラテンアメリカ・ニュージーランド・オーストラリアに広く販売されている。この数年間に連続して同社は、ベトナムの木製品製造のトップ企業であり、消費者からは「高品質のベトナム製」だと評価されています。

 現在Hoang Anh Gia Lai社は、商業センター・高級マンション・レンタルオフィスなど不動産分野に活動を拡大し、ホーチミン市・ダラット・ダナン・クイニョン・ニャチャン・プレイクーなどでホテルや4星・5星のリゾートを誕生させた。

 2007年から2大プロジェクトを展開し始めた。専門家によれば、これらのプロジェクトは「安定的な発展、年間約30%の安定的な利益のテコになる」と評価されている。それは第1に、New Saigonにおける高級マンション。第2に、10,000ヘクタールに及ぶゴムの木の植樹プロジェクトである(Gia Lai、Kon Tum省から土地が提供され)。2008年の年初に上場する予定である。

 これまで紹介してきた未上場株式は、いずれも高い成長性を示している。通常、世界に共通して企業は節税のために利益を控えめにする傾向があるが、そのことを考えても、これらの企業の収益力・成長力は驚異的である。ベトナム株式市場の将来は明るい。

 ただし懸念材料がないわけではない。それは一般に、WTO加盟後の輸入品の増加である。外国製品の競争を経て、それに勝ち抜くことで初めて企業として一人前である。この意味で、これまで紹介した企業は「内弁慶」の印象を免れない。国際競争力を強化するためには、積極的に外国企業との協力・提携関係を強化することである。それによって国際的な経営ノウハウや技術を導入・移入できる。

 国家の独立は厳守されるべきであるが、経済の独立は困難である。グローバル経済とはそういうものである。経済の独立、企業の独立を維持することは、より大きな成長の好機を見逃し、それは企業の存続をも脅かすことになる危険性もある。

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2007年11月22日 (木)

ロータス投資運用会社提供「ベトナム経済ニュース(19)」:注目の未上場株式(3)

 2007年1月から親会社とメンバー会社6社で構成された企業組織に正式に再構築され、現在のHoa Phatは工業生産グループとなった。このメンバー会社8社に加えて、連結会社3社があり、多角的な活動を展開している。

 Hoa Phatグループの主な製品は、構造用形鋼、各種の鋼管、事務・学校・家庭室内装飾品、冷蔵庫・アイロン、洗濯機・保温瓶等の電気製品などであり、現在のベトナムの発展過程において必要かつ重要な製品である。またHoa Phatは、工業団地・住宅団地に対する投資運営活動も行っている。

 これらの製品の中でHoa Phatグループは、事務用装飾品および鋼管の分野で全国最大のマーケット・シェアを占めている。その他の製品も大きなマーケット・シェアを示している。

 Hoa Phatグループの各種の製品が多角的に独立して生産・経営されているために、リスクが最小限になる一方、製造上の相乗効果によって生産コストも減少し、同グループの各種製品の競争力を高めている。

 例えば鋼管は、Hoa Phat設備部品会社の室内装飾品の製造にとって重要な原材料である。またHoa Phat電気有限会社におけるプラスチック生産活動は、室内装飾品に必要なプラスチック部品を大量に提供している。Hoa Phatスティールは、Hoa Phat建設と都市開発会社における建設活動の原材料になっている。

 2007年のHoa Phatグループの税引き後利益は、5,500億VNDに達すると予測され、本年度の年初の計画(3,300億VND)より67%と増加している。また本年度の年初10ヶ月におけるグループ利益は、4,750億VNDに達している。

  Hoa Phatグループは、次の5年間に売上成長率および利益成長率を年間20~25%になるように努力している。また株式配当は年間最低20%だと約束している。

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2007年11月21日 (水)

ロータス投資運用会社提供「ベトナム経済ニュース(18)」:注目の未上場株式(2)

 昨日に続いて、ロータス投資ファンド運用管理会社が注目する未上場株式を紹介する。
 
 Cuu Long製薬会社は、薬品各種の製造・販売・輸出入を行っている会社で、現在ベトナムにおいてカプセルを製造する唯一の会社でもある。

 生産量は年間1.5億品に達している。同社の全工場はCMP・WHOに従い、製品倉庫がGSP、検査室がGLP、ISO 17025基準を満たしている。

 Cuu Long製薬会社の製品調達網の中には、45の代理店および取引窓口などを含めて全国に拡大している。
 2006年、驚くべき成長率に達した。2005年の売上1,673.7億VNDから2006年には3,465億VNDに増加し、2006年の税引後利益が2005年に比べて208%も増加した。

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2007年11月20日 (火)

ロータス投資運用会社提供「ベトナム経済ニュース(17)」:注目の未上場株式(1)

 ベトナム現地法人・ロータス証券投資ファンド運用管理会社が注目するベトナム未上場株式を紹介する。

 PVFC(ベトナム石油ファイナンス会社)は、株式上場前であるが、定款資本金が最大の国営ファイナンス会社であり、ベトナム石油グループの経済活動の「血脈」である。

 PVFCは、急速な成長率を示しており、年間売上の平均増加率が100%以上にも達し、税引後利益が2005年に121%、2006年に402%も増大した。

 同社の市場は国内の重点経済地域に拡大しており、それは特にベトナム石油会社の活動地域である。銀行・財務組織、石油業における内外の経済組織と密接な関係を持っている。

 現在、同社は潜在力をすべて発揮していないと評価され、近い将来に株式公開を実施してから驚くべき発展が期待できると予測されている。

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2007年11月19日 (月)

東京六大学の大学生からのメール

 東京六大学の某大学の大学生からメールを頂戴した。ベトナムの小売業に関する研究をしているが、その関連文献も少ないので、メールでの質問または聞き取り調査をお願いできないかという要望であった。もちろん大歓迎である。

 この10月には、このブログを読んだと言って、韓国のソウルから国際電話があった。韓国企業のカンボジア進出を取材されている日本のマスコミ関係者からであった。また、大阪の国立大学の学生からもメールを頂戴したことがある。「アイセック」という国際学生団体に所属する学生であり、ベトナムにおける企業活動についての質問であった。さまざまな方々に本ブログを読んでいただいていると思うと、率直に言って嬉しい。

 まったく面識もない人々が、インターネットを通して比較的気楽に連絡されてくる。新しいコミュニケーションの方法または形態である。私は、自ら情報発信するために本ブログを続けているのだから、それに反応があっても当然である。したがって「比較的気楽に連絡」されても何ら問題ない。

 ただし匿名のメールは、お断りである。私は氏名などを含めてプロフィールを公開しているのに、それに対しての匿名メールは不愉快になる。

 以前、NHK第一放送ラジオの「新聞を読んで」という毎週1回の早朝番組に1年に2回ほど出演していたが、その内容についても何回か大学まで手紙を頂戴したことがある。本名を名乗られる方もいたが、多くは匿名であった。匿名では返事の仕様もない。このブログには、コメントの欄があるが、多くの場合は匿名なので、その受付はしないことにしている。

 本ブログを通して、いろいろな出逢いや交流が促進されることを私は期待している。以上、今回で716回目のブログである。

 

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2007年11月18日 (日)

論文の型式:最近の大学での仕事

 ゼミ学生の懸賞論文や卒業論文、さらに大学院生の修士論文などを指導するのに多忙な時期となった。その場合の最も重要な注意点は、論文の型式を整備することだ。これは内容以前の問題であり、その形式が認められないと論文とは認められない。

 いわば論文の作法もしくは様式が最優先に重要なのだ。内容の優劣は様々であるが、それよりも論文の型式を身につける。これだけでも大学に入学した価値がある。

 このような説明をして、学生に論文作成の作法を教える。しかしながら、本当により重要なことは、型式よりも内容であることは当然である。新しいアイデアや発想は、最優先に評価されなければならない。たとえばベンチャービジネスの提案といった論文(報告書または提案書と言うべきかもしれない)は、型式よりも内容が重視される代表例である。

 もっと卑近な例で言えば、文字がきれいに書けているからと言って、その内容が優秀とは限らないし、その反対に、内容が優秀でも文字が稚拙な場合もある。別の例で言えば、英語が上手だからと言って、その話す内容が傾聴に値するかどうかは別の問題である。他方、下手な英語でも気持ちが伝わったり、魅力的な発想であったりすることがある。

 要するに、論文については型式と内容の双方が洗練されていることが最善であることは間違いない。それが、この年齢になっても難しい。内容はもちろんのこと、その型式を整えるためには時間と手間が必要である。現状は、それが困難になっている。いろいろ悩みながらも、できる限りの仕事を続けている。最後は、反省と愚痴になってしまった。

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2007年11月17日 (土)

関西財界人との夕食:励ましを賜った

 ある関西財界のOBの方と夕食をご一緒した。ベトナム現地法人ロータス投資ファンド運用管理会社」の日本における活動について、ご助言を賜るためだ。

 すでに投資運用を任されている日本の適格機関投資家(「金融商品取引法」(2007年9月末施行)での用語)は、ロータス社に対して「見る眼がある」というお言葉を賜った。

 確かにそうである。現地スタッフは優秀だし、運用成績(トラッキングレコード)は従来の投資ファンドに比べて最上位である。ただ問題があるとすれば、創業してから1年未満という実績の不足だけである。どのような企業でも実績には時間が必要である。そのための忍耐が必要である。こういう励ましのお言葉を頂戴して恐縮であった。

 ロータス社のソン会長とタイ社長は、『プラチナクラブ』という雑誌(11月号)に写真入りで掲載されている。ロータス社の商品である一任勘定の「ラップ口座」の最低投資金額は10万ドルであるから、こういった富裕層向けの限定読者の雑誌で紹介されても不思議ではない。

 ただし金融商品取引法において、ロータス社は、ベトナムでは公認の投資運用会社であるが、日本では無登録であるために、第一種金融取引業者(証券会社など)の代理や媒介がなければ、勧誘を伴う取引はできない。簡単に言えば、日本国内の一般投資家が直接にロータス社と取引することはできない。同社のホームページを見れば、そういった投資の申し込みが個人からあっても、取引は断ると記載されている。なかなかコンプライアンス(法令遵守)が徹底している。

 同社自身が、日本の投資運用業に外国会社として登録することも考えられる。そうすれば、日本での営業が可能である。また、ロータス社が登録しなくても、日本の金融取引業者の中で有価証券関連会社とは今でも取引できる。

 以上、金融商品取引法に少し詳しくなった。この点については、財務省近畿財務局を訪問し、さらに弁護士の意見も聴取した。まさに「実学」である。

 

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2007年11月16日 (金)

オリンパスはベトナム南部に進出:その理由を推理する

 先週の木曜日の『日本経済新聞』(2007年11月8日)第1面では、オリンパスがベトナムに進出すると報道された。しかし、ベトナムのどこに進出するかは書かれていなかった。そこで私は、おそらく北部であろうと指摘した(本ブログ、11月10日)。

 しかし11月16日『日本経済新聞』によれば、次のように報道されている。「ベトナム新工場を発表◆オリンパス 15日ベトナム南部のドンナン省ロンタン工業団地にデジタルカメラ部品の新工場を建設すると正式発表した。投資額は約50億円。内視鏡処理具も一部生産する。当初予定していた中国のデジカメ2工場を1カ所に集約する計画は見送る。新工場の稼働時期は来年10月」。

 これは私の予想が外れた。なぜ進出先が北部ではなく南部なのか。その真相は何か。そこで以下のような推理ができる。

 1.ハノイと中国の工場を結ぶ陸上輸送ルートが確保できなかったのではないか。このルートは、住友商事系のドラゴンロジスティックが定期便を走らせている。それはキャノンの部品と完成品の輸送のためである。オリンパスは、それができなかったのではないか。デジカメ市場では、キャノンとオリンパスが競合している。ただしキャノンベトナムは、プリンター製造であるから、直接にベトナムでは競合しない。キャノンがオリンパスの進出に何らかの影響を与えたとは通常は考えられない。

 2.そうであるからこそ、中国工場の集約ができなかったとも想像される。

 3.南部のドンナイ省(新聞記事のドンナンは誤り?)は多数の日系企業があり、そこからの現地での部品調達の可能性が北部よりも存在している。

 4.工業団地の単純なコスト比較によって、北部より南部が選択されたということもありうる。そのほかに労働力の調達や賃金水準なども考慮されたにちがいない。

 さて、真相はどうか。聞き取り調査が今後の課題である。

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2007年11月15日 (木)

ベトナム日本センター・ビジネスコース講師研修:成果発表

 JICA((国際協力機構)が主催し、PREX(太平洋人材センター)が実施する上記の研修コースの成果発表の講師を務めた。場所は、JICA大阪国際センター(大阪府茨木市)である。

 研修生4名は、貿易大学の教員であり、すでに紹介したように先の日曜日には拙宅で盛り上がった間柄である。研修生も私もリラックスした雰囲気で話ができた。

 その中で印象に残った質問は、「どうして日本企業は、大学の成績を重視しないで人柄や人間性を重視した採用をするのか?」ということであった。「そのような採用をしていたら、日本企業の優位性が崩壊するのではないか?」という痛烈な意見が次に続いた。

 私は、「はい、その通りです」と率直に答えたかったのだが、それでは研修にならないので次ように常識的に回答した。
 (1)自然科学系の新卒採用では成績を重視している。
 (2)社会科学系の新卒採用の配属は営業職が大部分であり、それは人柄・人間性が学力よりも重要である。
 (3)採用前の学力よりも、その後の社内教育を通して会社の社風・経営理念を学ばせることを日本企業は重視している。それが日本企業の「強み」になっている。
 (4)卒業大学の偏差値が考慮され、さらにSPI(Synthetic Personality Inventory: 能力適性テストと性格適性テストをひとつに組み込んだ総合適性検査)を実施することで一定以上の学力の人材を採用している。

 ベトナムの大学教員である研修生は、それでも納得のいかない様子だった。なぜ大学で勉強しなくて良いのかが理解できないのである。これに対しては、そういう人材を日本企業が採用しているからだとしか答えようがない。企業が厳しく大学生を採用するようになれば、大学生も当然それに対応して勉強するであろう。

 私見を率直に言えば、特に大学教育に依存しなくても、それ代わる教育基盤が日本で整備されているように思われる。たとえば新聞を丹念に読めば、それだけで知識や教養は高まるし、最寄りの図書館所蔵の書籍を自分で読めば、それは大学で勉強することと同等以上に効果がある。ベトナムに比べて日本の教育水準の底辺が高いことが、大学教育の内容や質の相違になっているのではないか。つまり日本では、それほど大学で勉強しなくても何とかなるのである。それほどに一般的な教育水準が日本で高いと考えられる。

 以上、なかなか刺激的な問題を議論することができた。講義時間の最後に私が「私は50%ベトナム人とよく言われるが----」といった挨拶をすると、研修生のひとりが「いやいや、あなたは51%ベトナム人だ」と返答してくれた。

 このジョークというか、言葉の掛け合いこそが、ベトナム人との対話の醍醐味である。そしてまた、このようなお墨付きを頂戴して嬉しかった。日本とベトナムjの人的関係の広がりと深化に少しでも貢献できたように思われる。ハノイとホーチミン市での再会を約束して講義を終えた。

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2007年11月14日 (水)

「バリューチェーン」における関連事項の精査:「特別クラス」の講義から

 今日は、流通科学大学における1時限目と2時限目の連続した「特別クラス」の講義内容の一端を紹介する。

 マイケル=ポーターは30代の若さでハーバード大学の教授になった世界的に有名な教授である。彼の著書『競争の戦略』そして『競争優位の戦略』は今日でも読み続けられる名著である。後者には「バリューチェーン」(価値連鎖)という概念が提起されている。

競争優位の戦略―いかに高業績を持続させるか Book 競争優位の戦略―いかに高業績を持続させるか

著者:土岐 坤,M.E.ポーター
販売元:ダイヤモンド社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 その目的は、企業活動において付加価値を生み出す過程の全部を把握するためである。この過程を分解することによって企業の活動が流れが理解できる。この流れを短縮させたり、または入れ替えたりすることによって、企業のリストラ(=組織の再構築)が可能になる。また、この分解された過程それぞれの仕事を吟味すれば、差別化できたり、コスト削減できたりすることが可能となり、それが競争優位を生み出すことになる。

 このような分析と戦略策定のためには、まず企業の構成員すべてが個々の仕事を列挙することから始めなければならないだろう。それらの仕事の重複や不足を精査し、そこから仕事を再統合することも可能であろう。組織の効率化である。さらに仕事の列挙によって、その中から差別化・コスト削減の可能性が発見できるかもしれない。

 このような話を具体的な事例を交えて説明した。この『競争優位の戦略』は、私が助教授の時に読んだが、今読んでみると、その理解の程度が深化していることが実感できた。このことから、次の仮説的な教訓を指摘しておきたい。

 1.経営学の理解には経験が必要である。若い頃は字面の理解に囚われる。年齢を経て本質的な内容を理解できる。

 2.この経験とか年齢が必要という場合、経営学の文献を読み重ねるということなのか、具体的な企業経営を経験するということなのか、そのいずれか、または両方かは不明確である。少なくとも私の場合は、自らの会社を設立したという経験が、この著書の理解を格段に深めたという感想がある。

 3.それにしても、このような緻密な研究をするマイケル=ポーターの天才は驚嘆である。経営学の分野でノーベル賞を受賞したのは、これまでは組織論のサイモンだけである。私見では、マイケル=ポーターの受賞があっても不思議ではない。

 以上のような講義をしたが、学生の表情を見ていると、十分に理解してくれたようだ。午前中の連続した講義の学習効果は高い。また優秀な学生が集まる「特別クラス」ならではの充実感を教員として享受することができた。

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2007年11月13日 (火)

ホーチミン市『投資ガイドブック』から(9):外国人の支社と駐在事務所の設立

 外国営業者は、ベトナムにおいて支社と駐在事務所の設立が商法に基づいて許可される。政府は昨年、外国営業者の駐在事務所および支社に関する詳細について、商法(72/2006-ND-CP)の細則を発効させた。

 商務省(現在は商業工業省)に代わって職務を代表する地方商務省は、外国営業者の駐在事務所および支社に対する許認可を管理する。外国営業者は、ベトナム法律上のベトナムにおける駐在事務所および支社の活動すべての責任を負う。

 支社: 駐在事務所と違って、ベトナムにおける外国営業者の支社(以下では支社と略す)は、ベトナムが締結してメンバーになっている国際協定に基づいて、ベトナム商品の購入および直接購入に関連する活動を行う。

 支社には下記の義務と権利が規定されている。

 賃貸事務所・支社の活動のために必要な用具・手段の借用および購入する。
 ベトナム法が定めた規定に基づいて、支社に勤務するベトナム人ならびに外国人の労働者の募集する。
 ベトナムで締結された契約書は、支社の認可書に表示される活動内容とこの法律規程の原則に合致させる。
 ベトナムの活動認可銀行における外貨およびベトナムドンで口座を開設する。
 ベトナム法によって外国に利益を送金する。
 ベトナム法の規定による支社名の印鑑を登録する。
 ベトナム法の規定による会計制度を採用する。その他の会計制度を適用する必要がある場合はベトナム社会主義共和国・財務省が許可しなければならない。
 ベトナム法の規定により支社の経営活動を報告する。

 駐在事務所: ベトナムにおける外国営業者の駐在事務所に対しては、次の活動が許可されていない。(1)法律上および認可書の範囲に基づく商売促進活動を行う以外に、ベトナムに直接利益作り活動を行うこと。(2)駐在事務所長が法律上に外国営業者の委任書がある場合の以外には、外国営業者の結んだ契約書を契約商談、変更、補足を行う。

 ベトナムにおける外国営業者の駐在事務所は次のような義務と権利を負う。

 駐在事務所のライセンスに載せている規定の内容により正しい目的、範囲及び期限という活動目的に従う。
 駐在事務所を運営するために必要な用具‐手段購入及び賃借り、オフィス場所賃貸。
 ベトナム法が定めた規定に基づいて、支社に勤めさせるベトナム人並び外国人の労働募集
 ベトナムに活動許可銀行における外貨及びベトナムドンでの口座を作る。この口座を駐在事務所の活動だけに使用できる。
 ベトナム法律上に駐在事務所名称の印鑑を持つ。
 ベトナム法律上に費用並び税金を納める事及びその他財政義務
 ベトナム法律上に駐在事務所の活動を報告する。

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2007年11月12日 (月)

日曜日はベトナムの日:ホンマに楽しかったわ!

 昨日、JICA(国際協力機構)が支援するVJCC(ベトナム日本人材協力センター)・ビジネスコース講師研修コースの研修生4名を拙宅に招待した。貿易大学のティエン先生(国際経済・経営学部)・ニャン先生(銀行金融学部)・アイン先生(国際経済・経営学部)・ハー先生(ホーチミン市分校)である。

071111_15110001  ベトナムの貿易大学は、私の勤務先の流通科学大学と昨年から提携校となっている。今回の研修では、私がコースリーダーとなっているが、残念ながら私の大学に研修生が訪問する時間がなかった。そこで拙宅に来ていただくことにした。

 せっかくベトナムの先生が来られるので、貿易大学の卒業生である071111_15130001ベトナム人留学生も招待した。また工業商業省からのJICA研修生も飛び入りで参加。総勢8名となった。

 こういう場合、いつも妻に食事の準備で迷惑をかけることになる。また私は、トイレ掃除に朝から専念しなければならない。苦労も多いのだが、お客様の嬉しい顔を見れば、それだけで満足感がある。

 ベトナム人はトランプゲームが一般に好きだが、今回は日本伝統?の「ババ抜き」をした。これもみんな大喜びであった。連日の研修の中の数少ない休日であるにもかかわらず、わざわざ拙宅に来ていただいて感激であった。

 なお、日本のODAで支援されたカントー橋の崩落事故について感想を聞いた。事故は常にありうるから、日本に対する特別な批判は一般にないということだった。ただしベトナム人留学生は、この事故の犠牲者のために少しだけれども募金活動をしたそうだ。

 日本のODA史上最悪の事故なのだから、われわれ日本人が犠牲者に何らかの気持ちを伝えるのが本当であろう。日本のベトナム友好団体に対して募金活動を呼びかけたいと思う。

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2007年11月11日 (日)

あの吉兆までも!:日本ブランドの崩壊

 赤福に続いて、老舗ブランドの高級料亭船場吉兆も食品偽装の不祥事である。こうなれば、単なる偶然ではなく、構造的な要因があると思われる。

 これらの企業の共通点は、オーナー経営のファミリー企業ということだ。もし外部株主が参加していれば、経営に緊張感があったに違いない。ファミリー内での「なれ合い」経営は、不祥事の温床となる。

 この意味では、かつての「株式相互持ち合い」も同様の「なれ合い」経営を生んだ。企業が株式を相互に持ち合えば、両社に緊張感が生まれる可能性もなくはないが、通常は両社に「甘え」や「なれ合い」が生じると想像される。人間、楽な方がよいに決まっている。

 企業の内部監査やコンプライアンス(法令遵守)のための体制は、まだまだ日本では十分でないと思われる。今回の不祥事の摘発が、いずれも内部告発であることを考えれば、この内部告発の奨励・促進が制度的に検討されてもよい。

 ある特定の監査役や内部監査役員に任せるのではなく、会社の構成員すべてが企業を監視するという体制の整備があってもよい。内部告発を奨励し、それによる不利益を被らないように匿名性を確保する。こういった社内体制を構築すれば、それがコンプライアンスを対外的にアピールすることになると私には思われる。

 しかし、これは「チクリ奨励」にほかならない。嫌な世の中になったと言わざるをえない。

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2007年11月10日 (土)

ベトナム、ええわ、好きやわ:ベトナムいろいろ

 先日、自宅に届いた「恋するベトナム」(DVD)を見た。すでに本編はTVで見ているので、それほどの感動でもないが、2枚目のDVDに含まれている「メイキング」が良い。映像が文句なしに鮮明で美しい。 これを見たら、確かに無性にベトナムに行きたくなる。

 数日前に指摘したベトナム「個人所得税」についての問題。ホーチミン市の日越経済交流センター代表のタムさんに質問した。法律が代わったそうなのだが、それを確認するための文書を送ってもらうように依頼した。WTO加盟後、画期的な税制改革があっても不思議ではない。

 11月8日(木)の『日本経済新聞』朝刊1面には、オリンパスがデジカメの工場をベトナムに建設するという報道があった。また同日の『朝日新聞』朝刊では、日本のODAで建設中のビンロン橋の崩落事故が詳細に報道されていた。

 その日の流通科学大学の講義「アジアビジネス論」で早速この記事を教材に使用した。その時の学生に対して「オリンパスはベトナムのハノイに進出したか、ホーチミン市に進出したか、またはそのほかの地域か?」と質問した。朝日新聞の記事には、ベトナムとは書かれていたが、その地方は明示されていたなかったのだ。

 「おそらく進出先はハノイだろう」と私は解説した。すでにオリンパスは、ハノイの「サイドンB」工業団地に進出しているし、中国の広州にある2工業を1工場に集約してベトナムに進出するということだから、そうなれば、広州から3日間の陸路でつながるハノイが進出の有力な候補となるであろう。原材料部品や完成品の物流拠点が広州であるとすれば、それを活用できる。このビジネスモデルは、キャノンと同様である。

 ビンロン橋の崩落事故は、とんでもない話だ。日本政府からの公式謝罪や被害者に対する丁重な弔意が必要である。これまで多大のODA(政府開発援助)をベトナムに供与してきたからといって、それが事故の免罪にはならない。ともかく日本のODA史上で、最悪の事故である。日本が対応を誤れば、ベトナムにおける「日本ブランド」(=日本に対する信頼感)が一挙に棄損するかもしれない危険性がある。

 11月25日に国賓として来日が予定されているチェット国家主席に対する慎重な応対が日本政府に望まれる。

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2007年11月 9日 (金)

ロータス投資運用会社提供「ベトナム経済ニュース(16)」:経理担当者の新規採用

 ロータス証券投資ファンド運用管理会社(LotusIMC)投資家広報(IR)担当ザンタインさんから、次のようなニュースが届いた。
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 投資家の皆様のお陰で、弊社・LotusIMCにおける経営成果は、設立1年にもなりませんが、ますます改善されており、それに伴って、人材に関する需要も高まりました。

 そこで先々週から今週にかけて、経理担当者を募集し、数人の面接を実施しました。もちろん面接者は弊社の経理担当責任者です。

 応募者の中には大学新卒の者もいれば、すでに勤務経験のある中堅者もいます。経理担当者によれば、第一印象として残ったことは、応募者の素直さでした。

 通常、新卒生は外国の大手企業や工業団地などで数年間経験を積んでから、市内の企業また小規模の会社に転職するケースが多いように思います。また当然、ベトナムに住むからと言って、必ずしもベトナム企業で働く必要はありません。そうであるにもかかわらず、「私の考え方としては、外国に行くつもりがなく、ベトナムに住む場合はベトナム企業で働いた方がよいと思います」という新卒者の話しを聞いた時、私は驚きというよりも変わった考え方もあると面白く感じました。

 また、LotusIMCに応募した理由としては、同社が自宅に一番近い会社だからという者もいました。さらに驚くべきことは、応募する際、また面接まで呼ばれたにもかかわらず、応募する会社に関する情報の収集をまったくしないことです。特にLotusIMCはホームページもあり、基本的な情報がすべて掲載されているのに一回も目を通さないようです。

 LotusIMCのメンバーがもうすぐ1人が増え、一緒に働けることを楽しみにしています。
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 (コメント) このニュースを届けてくれるザンタインさんは、日本の看護専門学校を卒業して、その後に日本の病院で看護師として働いた経験がある。投資運用管理会社に勤務するメンバーとして異色の経歴だ。その高い日本語能力もさることながら、細かい心配りなどは抜群である。この8月に私が採用面接したが、私の判断の範囲内で、彼女の人柄や能力を保証する。

 なお、ここでメンバーという言葉を使っている。本来は従業員または労働者が正しい呼称であるが、LotusIMCが目標とする「社風」にはメンバーが合っている。このことは、日本企業でも同様である。本来は従業員や労働者であるにもかかわらず、出資者を意味する「社員」という呼称を一般に日本で使用している。

 さらに上記の経理担当責任者のダオさんも、私が今年3月に面接した。彼女も外資系銀行の勤務経験もあり、優秀な人材だ。そのダオさんが面接する側になった。LotusIMCの成長について、感慨深いものがある。

 LotusIMCの人材や活動は、極めて良好である。それがウソだと思うなら、ぜひ同社を訪問していただきたい。ハノイの5☆ホテル「ホライゾンホテル」の4階である。自分の目で見て、自分で話しを聞いて確認する。これが最も安全でリスクの小さい投資であると思う。同社の発展のために、同社の顧問の立場から全力を尽くしたいと改めて思う。

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2007年11月 8日 (木)

ベトナム外国人駐在員の税金はどうなっているか?

 一昨日に、ホーチミン市で駐在員事務所を設立する場合、外国人やベトナム人の駐在員の最低給与などを紹介した。

 その後に、読者の方からご指摘があった。ベトナム滞在の外国人の個人所得税は、累進課税で最高税率が40%ではないかという指摘だ。

 それに加えて、ブログでも指摘した租税協定を日本とベトナムは締結しているので、日本の給与も全て所得とみなされる。したがって、その個人の世界所得に対してベトナムで課税される。ベトナムで納税する場合、ベトナム国税当局は、日本での給与についても厳しく追及する。

 以上のご指摘は、投資案内などベトナムで一般に指摘されている情報である。それに対して私のブログの内容は、ホーチミン市のベトナム人弁護士からの情報である。ここで、その相違の原因を調査してみる。しばらく、時間の猶予を頂戴したい。

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2007年11月 7日 (水)

恋するベトナム:縦断1800㎞の旅物語

 2004年に放送された表題のTV番組のDVDを入手した。この番組については、以前に私もブログで紹介したことがある。唐沢版『白い巨塔』の亀山君子看護士役で出演した西田尚美が主人公だ。このDVDには、次のようなキャッチコピーがついている。

 ・ 大阪ABCで放送され、その自然な撮影手法がベトナムの風土と人々を美しく映し出し、2004年関西でベトナムブームを巻き起こした連続ドラマ! 観光地から庶民が暮らす路地裏までスミズミを堪能できる、見ると必ずベトナムに行ってみたくなる作品!

 

恋するベトナム ~縦断1800kmの旅物語~ DVD 恋するベトナム ~縦断1800kmの旅物語~

販売元:エースデュースエンタテインメント
発売日:2005/08/26
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 じっくり、このDVDでベトナムを楽しみたいのだが、その時間がない。でも、買っておけば安心だ。いつでも見れる。この感覚は、研究者が書籍を購入する心理に似ているように思われる。自分の研究する関連する書籍は、すぐに読まなくても買っておかないと安心できない。こうなると、書籍の購入目的は読むことではなく、収集=コレクションになる。

 以上、お勧めのDVDである。

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2007年11月 6日 (火)

なんぼやねん?:ホーチミン市で駐在員事務所を設立する

 ホーチミン市で駐在員事務所を設立するために、どのくらいの費用が必要なのだろうか。ベトナム人を採用する場合、その最低賃金は500ドルである。これに社会保険料が20%(企業負担15%、労働者負担5%)、健康保険料が3%(企業負担2%、労働者負担1%)、所得税が10%となる。

 外国人が駐在する場合、その最低賃金は2,000ドルと規定されている。税金は、年間滞在が183日以上の場合は、(給料+家賃-800万ドン)×10%、年間滞在が183日未満の場合は、給料×25%となっている。

 ベトナムと日本は租税協定を締結しているので、日本で所得税を支払った証明があれば、1年後に還付される規定があるが、手続きが煩雑で時間がかかる。

 ベトナムの都市部はオフィスビルの不足が続いているから、予想外に家賃も高いという印象を受けるであろう。総じて、外国人にとってベトナムは安くない。安いからベトナムではなく、ベトナム独自の特性の全体像を検討する必要がある。つまり、ベトナムにおける労働力の低価格に着目するだけでなく、その力量や質を評価する時代が来ている。

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2007年11月 5日 (月)

メガネが就職の決め手になるか?

 なかなか就職先が決まらない大学4年生がいる。私が非常勤講師を引き受けている某大学の受講生の男子学生である。いろいろ話してみると、けっして能力も性格も悪くない。でも、この時期になって未だ就職が決まらない。

 教師の特性として、何か助言をしてあげたいと考える。その結論は、第一印象が悪い。その主要な理由はメガネだと思った。

 いわゆるカジュアルなファッション指向の強いメガネなのだ。どう見ても、ビジネス用のメガネではない。その第一印象が、かなり採用決定に悪影響を及ぼしているとみなされた。

 この指摘は私見であるから、家族や友人にも自分の印象を質問してみなさいと助言した。人間に対する印象は人によって様々だから、いろいろな人に自分の印象を質問してみればよい。そこでの共通した意見は、だいたい当たっていると考えられる。

 本人も、第一印象が大事であることは知っていて、真面目な学生であるから、私の意見を真剣に聞いてくれた。彼の新たな就職戦略の成功を祈りたい。

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2007年11月 4日 (日)

大学教授の資質:「学問研究の成果に値しない」とは?

 「南京大虐殺はなかった」という趣旨の書籍の著者である大学教授と出版社が、その被害者の中国人女性から名誉棄損で訴えられていた。東京地裁の判決は、名誉棄損を認めて、この女性に対して慰謝料を支払う判決を言い渡した(11月3日の新聞各紙)。

 その判決文の中で裁判官は、「通常の研究者であれば矛盾を認識するはずで、原資料の解釈はおよそ妥当ではなく学問研究の成果に値しない」とし、教授の指摘は「真実であるとする理由がない」と判断した。これに対して大学教授は、「非常に心外だ。控訴する方針だ」とのコメントを出したそうだ。

 この新聞記事を読んで、「学問研究の成果に値しない」という文言が注目された。それは言い換えれば、その直前に指摘されている「通常の研究者」としての存在を否定された判断が下されたということだ。これは、大学教授にとって厳しい表現だ。

 私見では、研究者であれば、少なくとも論理や事実の前には謙虚でなければならない。そうでなければ、研究者としての自己否定である。大学教授が自ら研究者でないことを認めたことになる。私の場合、このブログは論文ではないが、少なくとも虚偽や捏造はありえないように努力している。実名を公表してブログを書いているからには、事実と論理を欠落させては、大学教授としての資質を疑われることになるからだ。

 このような事実と論理に基づいた主張は、ジャーナリストや評論家にも必要であろう。たとえば、この書籍の著者が大学教授ではなく、ジャーナリストや評論家であったとしよう。その場合も、取材対象に対する名誉棄損は成立するだろう。書籍としての公刊は、社会的な影響力が大きい。

 それでは、大学教授もしくは研究者とジャーナリストや評論家との相違は何か。おそらく前者には、理論的な展開や実証といった内容が要求されているのである。理論的な志向が大学教授には求められている。

 冒頭の大学教授は、どういう反論をするのだろうか。「通常の研究者」であることを否定されたことが「心外」ということなのか、その主張が否定された判決が「心外」であるのか。おそらく、その両方なのだと思う。

 新聞記事を読んで、自己を再点検する機会をもつことができた。この判決に「心外」な大学教授の今後の対応に注目したいと思う。

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2007年11月 3日 (土)

恐るべし百貨店の特設会場:購買力は旺盛だ!

 勤務先の流通科学大学では公募推薦入試・前期試験が開催された。試験監督の仕事は、何もしないで沈黙を維持しなければならない。かなり疲れる仕事だ。やはり大学教授は読んで書いて話すのが本業だ。

 その後、阪急百貨店のビジネススーツの「特売」に行った。「よりどり2着で29,000円」が売りだ。いつものスーツは近くのダイエーだから、たまには百貨店もいいのでは?という動機だ。しかし百貨店売り場の「特売」スーツは、ダイエーと比較して割高に思えた。生地の品質に格段の差異を感じない。そうなると隣接して販売されている「2着で58,000円」に目が向く。これは生地からのオーダーであり、価格にズボンは含まれない。ズボンは35%アップとなるそうだ。こういう表示はしていないので不親切だ。仕上がりが11月末になるというのも遅い。

 そこで既製服はないかと見れば、スーツ2着で6万円を超えるコーナーがある。うまく誘導されたという感じだ。「特売」の2万円台から6万円台に売値が高くなっている。これが計算されているとすれば、消費者心理を読んでいる。スゴイ。

 メーカーから派遣された中年の女性店員が自分の担当のスーツを積極的に売ろうとする。私のサイズはB5なのだが、隣りの売り場のスーツにはBB5という表示もあって混乱する。質問したいのだが、お客が多くて、ゆっくり買い物する雰囲気ではない。それほど週末の百貨店の催場は混雑するのだ。こういう経験は久しぶりだ。結局、イタリア製と英国製の生地という2着を購入した。しなやかな生地は、値段相応に着心地がよい。

 それからのズボンのスソ合わせが大変だ。待ち時間は20分。ようやくフィッティング=コーナーに案内されてみると、まるでサウナかプールの着替えを思わせるようにカーテンルームが長く並んでいる。メーカー派遣の若い女性店員がスピーディーに採寸などを処理することには関心した。プロなのだ。

 その後の代金支払いも行列だ。どちらかと言えば、奥様同伴の購入が多いように感じた。スーツを買うのは夫婦一緒が多い傾向があるのかもしれない。私もダイエーではそうだ。いつもサイフを握っている妻に夫が「ねえ買ってもいいかな?」と甘える心理があるのかもしれない。これは仮説である。そうであるなら、その前後の夫婦の心理を読んだ関連ビジネスがあるように思われた。

 この店員の対応もテキパキとしていて、言葉遣いも丁寧だ。百貨店としての高い接客水準を崩さずに、多数の顧客に対応する。なかなか人材教育ができている。激戦の百貨店業界において人材教育は最重要の課題であると想像される。

 久しぶりの百貨店の買い物であった。いろいろ勉強になった。「実学」を追究する大学教授は、読み書き話すだけでなく、現場で行動もしないとダメだと改めて思った。 

 

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2007年11月 2日 (金)

『月刊アジアネットワーク:Vietnam Business Today』誌11月号に掲載:ベトナム青少年との交流

 本年に発刊されたばかりの『月刊アジアネットワーク Vietnam Business Today』(コネックス・アジア・ネットワーク株式会社)に拙稿「アジアの中の日本とベトナム:青少年の両国交流の発展に向けて」が掲載された。

 この記事については、次に紹介されている。http://www.umds.ac.jp/cms/?lm=5588

 昨日、同誌の編集記者・坂さんが大阪を訪問され、PREXでのベトナム人講師研修を取材された。同誌は、グラビア誌であって、写真を多数撮影された。視覚を通してアジアを身近に感じさせる雑誌として、ますますの発展を期待したい。

 なお同社は、ベトナムのみならず韓国・ドバイが毎月、中国・マカオ=香港・インド・アセアンが隔月の発刊である。購読サイトは、http://www.conex-can.com

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2007年11月 1日 (木)

2007年度ベトナム日本センタービジネスコース講師研修がPREXで開催

 JICA(独立行政法人・国際協力機構)が主催し、PREX(財団法人・太平洋人材交流センター)が実施する上記の研修コースのコースリーダーを引き受けた。流通科学大学と提携校となってる貿易大学の先生4名に対して午後に講義した。

 10月30日に来日。その後18日間に渡って大阪と東京の公的機関や企業を訪問し、日本企業の現状を学び、その成果をベトナム人のビジネスピープルに対する講義に生かしてもらう趣旨である。

 私の講義では、そういった研修の効果を高めるために、研修生が日本企業の特徴を理解し、各自の課題を設定して目的意識をもつようにすることが期待されていた。もちろん、そのように私は努力したのだが、どちらかと言えば、自由に意見交換しながら、日本の経済や企業を理解してもらうという雰囲気の時間を過ごした。

 たとえば、銀行金融学部・副学部長のニャン先生が、「どんな株式が値上がりするでしょうか」なんて質問するものだから、私も調子に乗って「HOA PHATがいいですよ」なんて答えた。堅苦しい一方的な講義ではなく、初対面にもかかわらず、お互いにリラックスした双方向の意見交換ができたと思う。

 ところでHOA PHATは、OTC(未上場・店頭市場)株式であるが、ベトナム投資専門家の福森哲也さんによれば、注目株のひとつとなっている。「設立15年で鉄鋼・冷蔵電機関連・インテリア等の有力企業を傘下に有する有力企業グループに成長。セメント工場や鉄鋼生産工場や不動産プロジェクトなど、様々な大規模プロジェクトを展開。2012年までに10億ドルの売り上げを達成する最初の民間企業を目指す」と指摘されている。

 ロータス投資管理会社のソン会長によれば、この11月に上場予定と言われている。

 研修の日程を見ると、日本の家庭訪問の機会がない。そこで拙宅に研修生4名を招待すると約束した。こういうホームパーティは、これまでに何度もしているが、いつも気になるのは準備する妻の努力である。私は気楽な人間だが、こういうことには気を遣っているのだが---。

 こういったベトナムにおける主導的な役割を果たす研修生のみならず、できるだけ多数のベトナム人に日本を好きになってほしいし、その反対に多数の日本人にもベトナムを好きになってもらいたい。この11月25日にはグエン=ミン=チャット国家主席が国賓として来日する。それを契機にして日本とベトナムの友好関係のさらなる促進が期待される。

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