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2007年10月 4日 (木)

ベトナムにおける企業経営者の悩み?

 ベトナムにおける企業経営者は悩みが多い。社会主義を目標にする政府は、市場経済を容認しているとはいうものの、所得格差の是正や貧困の解消も重点課題としているからだ。

 たとえば、株式売買について現在は売却金額の0.1%の税金が設定されているが、その税率が導入期の格安の設定であることは明白だ。投資家や経営者の立場としては、この水準は維持してほしいと政府に要望したいが、一般の国民の立場としては富裕層を優遇していると考えてしまう。

 こういう矛盾した問題を抱えているベトナム人経営者について、われわれ外国人はどのように考えればよいのか。つまりベトナム共産党員・支持者でありながら、企業経営者であったり、株式投資家であったりするベトナム人をどのように理解し、どのように対応すればよいかという問題である。

 最悪は、ステレオタイプの区分である。白か黒(注:この場合は「赤」?)かという識別だ。そんなにベトナム人は単純ではない。たとえば国営企業の経営者(赤)であっても、市場経済を理解する人(白)は多数存在している。さらに、そういう人物は風格があったり、人間的に魅力があったりする。

 おそらく、こういった経営者は、思考方法を変換しているのだと思う。ビジネスを実践する時は、ビジネスの合理的な思考方法、社会主義や共産党の政策を考える時は、綱領や方針に従った思考方法を使い分けている。このような多面的な思索が、その人間性を深める効果をもっている。

 ベトナムにおける社会主義は、市場経済を推進することや、株式市場が発展することと矛盾していない。そうであるにもかかわらず、ビジネスに成功したベトナム人経営者に対して、「ベトナムは社会主義から資本主義に変化した」といった話をすると、その話し手の無教養や無知を示すようなものである。また逆に、ベトナム共産党の人々に対して「社会主義国で株式投資はケシカラン!」と言うことも同様に自己の無知を証明している。

 私は、ベトナムが前人未到の新しい社会主義国家を目標にしているのだと理解している。先行する中国や旧ソ連をモデルにしないベトナム型社会経済発展の道をベトナム政府は探求している。こういう試行錯誤をしているベトナムに対して、「社会主義だからダメ」とか「資本主義になったから良い」といった先入観をもった単純な思考方法で対処していては、思わぬ誤解やミスリーディングな結果をもたらす可能性がある。

 以上のような観点から、ベトナム人そしてベトナム企業経営者と付き合うことを勧める。彼・彼女らの多様な側面が新たに発見できるかもしれない。

 

 

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