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2007年10月14日 (日)

タックスヘイブンについて(1):1人当たり国民所得の観点から

 先日、世界銀行の統計によれば、1人当たり国民所得が日本は、2006年に世界第19位であり、購買力平価では世界第24位であることを指摘した。これが、日本の経済力の低下を示すのかどうか? また、日本の人口減少が続けば、この順位は上昇するのであろうか? こういった問題提起ができる。

 それに加えて、日本よりも上位の国について検討する必要がある。それらの国々の多くは、「タックスヘイブン」と呼ばれる国や地域である。つまり「租税回避」のためにグローバル企業や富裕層が、こういった国や地域に所得を移転しているために、それらの国や地域の所得が上昇しているのである。

 これは、金融のグローバル化が進展したと指摘できるが、そういった「キレイごと」ではなく各国の経済政策・租税制度の有効性が疑問視される事態を招いている。いわば合法的な「脱税」が世界的に拡大している。さらにタックスヘイブンの国や地域は、犯罪に関係する資金の「マネーロンダリング」の温床とも言われている。

 日本を取り巻く情勢を考えてみれば、「東アジア共同体」やAFTAなどアジアでも経済統合の動きは進展しており、さらに二国間協定としてFTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)の締結が進行中である。たとえばベトナムとも年内にEPA締結が目標とされている。

 しかし、より大きな視野で見ると、こういった「タックスヘイブン」の問題を世界的に検討するべき時期に来ているように思われる。これは、いわゆる外国投資ファンドの実態を解明することにもなる。その議論・規制の主体が、国際金融機関(IMF:国際通貨基金、BIS:国際決済銀行)か国連かはさておき、こういった問題について本格的な議論がなされてもよい。

 以下、少し連載して検討してみようと思う。

 

 

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