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2007年10月15日 (月)

ベトナムにおける紛争解決

 交通渋滞の話題を先週に紹介したが、そこでタクシーの運転手とのトラブルについても言及された。以前に私もタクシー運転手とは何度か口論したことがある。

 最も派手だったのは1999年のベトナム留学中のホーチミン市であった。私は名刺を見せて、ベンタイン市場に行くように言ったのだが、タクシーは中華街にあるベンタン市場に向かった。どうも周囲の様子がおかしいので「どうなっている」と口論になった。

 もちろん私のベトナム語の発音が悪いのだが、私の言い分は「ちゃんと名刺を見せた」というものだ。運転手は「お前はベンタン市場と言った」と反論した。たまたま私は「元気」であったので口論になったのであって、いつも私が運転手に文句を言っているわけではない。怒る元気のない時は「何でもいいよ」という気分になる。

 こういう口論では自動車を止めて、料金を払う払わないという議論になる。周辺のベトナム人に来てもらって、どちらの言い分が正しいかを聞いてもらうのが一般的だ。交通事故の場合でも野次馬が集まっていることがあるが、それらの人々は目撃者であって、どちらの方が悪いとか悪くないとか双方の言い分を聞いてくれる。

 この口論でも、私は「皆さん。俺は名刺を見せたんだ」と周辺のベトナム人に大声でわめいた。当時は、今と違って元気があった。結局、メーター通りの料金を払って、その後に「ベンタイン市場に行って」と言ったが、その運転手には乗車拒否された。

 ベトナム人は、何かトラブルや問題があった場合に、関係者の意見を聞くという習慣があるように思う。たとえば政府の政策が発表された後であっても、その法律によって不利益を受けたり、不都合・不合理な部分があれば、政府当局に抗議・異議を申し立てることができる。そういう受付の機関も設置されている。これは実質的に機能している。

 このような政策施行の過程は、国家証券委員会も同様であり、その法律や規制によって証券会社や証券運用会社に不利益があれば、個別に異議や要望を申し立てることができる。それに国会証券委員会も真摯に対応している。このような民主的な議論の風土がベトナムには存在している。

 これが、ベトナム共産党の一党独裁の体制が継続する理由のひとつである。抑圧・強権的な手法は、政権党である共産党の自殺行為になる。そのことを党も理解し、国民も認識していると考えられる。

 

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