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2007年10月16日 (火)

タックスヘイブンについて(2):どういう国と地域なのか?

 クリスチアン・シャヴァニュー&ロナン・バラン著・杉村昌昭訳『タックスヘイブン』作品社、2007年5月10日を参照しながら、以下では、どういう国や地域が相当するかを指摘する。この原著はフランス語であり、翻訳者は龍谷大学教授である。

 「タックスヘイブン利用者のためのリストの一例」(p.28)によれば、次の7つの区分によって国や地域が分類されている。(1)第一級の推奨地、(2)第二級の推奨地、(3)利用価値あり、(4)場合によっては避けた方がよい所、(5)多くの場合避けた方がよい所、(6)絶対に避けるべき所、(7)将来有望な所。

 上記の(1)に含まれる1人当たり国民所得の日本より大きな国は、バーミューダ(イギリス)、リヒテンシュタイン、ヴォー州(スイス)、アイルランド、香港である。この表には含まれていないが、ルクセンブルクチャネル諸島も該当するとみなされる。また興味深いのは(6)の国にカンボジアとモンテネグロが含まれていることである。

 カンボジアは発展途上国であるが、私の訪問時の調査によれば、金融制度はベトナムなどに比較して自由である。しかしタックスヘイブンという観点から見れば、たとえば守秘義務を果たすことができないという大きな欠陥があるのかもしれない。ここで「タックスヘイブン」の定義を明確にしなければならない。

 同書によれば、タックスヘイブン(TAX HAVEN:租税回避地)は、次のように定義されている(pp.22~23)。

 「国際協力開発機構(OECD)の指標によると、タックスヘイブンとは、資本収入に対して税金を課さないか、ほとんど課さない権限をもち、加えて次の特徴のうちの一つをそなえている場所である。
 (1)透明性が欠如している。
 (2)外国の政府に対して情報を提供することを拒否する。
 (3)架空の企業をつくれる可能性をもっている。
この三点である。」

 OECDの「「金融活動作業部会」(FATF)にとっては、タックスヘイブンとは、金融に関する規制が欠如した――つまり、マネーロンダリング(資本洗浄)を予防・探知・抑止するという国際的な行政協力の機能が働かない――「非協力的な国や地域」のことである」。

 次に、その特徴について10項目を指摘しておこう(pp.24~27)。(以下、次回に続く)。

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