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2007年9月 1日 (土)

緊急報告:「カンボジア証券法」草案を入手!

 大学教員の一般的な性癖として、大学院生時代にそれは形成されるのだが、偏執的な資料収集癖がある。貴重な資料を自分だけが入手したいという欲求だ。多くの教員は、自ら収集した資料を長期保管する。すでに私は保管場所がなくなり、昨年末に大量の資料や書籍を廃棄したことは、このブログで紹介した。

 さて、カンボジアを離れてラオスに向かう日に、次の2つの資料を入手できた。
 (1) Royal Government of Cambodia、FINANCIAL SECTOR DEVELOPMENT STRATEGY 2006-2015,ADB,2007.
 (2) Royal Government of Cambodia,DRAFT LAW ON THE ISSUANCE AND TRADING OF NONーGOVERNMENT SECURITIES

 前者は、カンボジアの金融証券市場の発展プログラム(ロードマップ)であり、後者は、この9月のカンボジア国会で審議される法律の草案である。いずれも「秘密」ではなく、公開されてよい内容であるが、なかなか普通では入手困難だと思う。

 しかし(2)の本案は、公式の英文ではないという注記があるが、日本語にすれば「非政府証券の発行と取引に関する法律草案」となる。何か冗長で語感が変だ。なお、中国の上海からカンボジア証券市場についての調査訪問団が来たという情報を耳にした。「乗り遅れるなカンボジア株式投資はいま熱い」といった表題の書籍が、取引開始予定の2009年に発売されているかもしれない。

 一般に、こういう貴重な資料は入手しただけで満足してしまうことが多いが、ぜひ機会を見て、その内容を紹介・発表してみたい。さらに、カンボジアとベトナムの金融市場を比較検討するという研究課題は、なかなか魅力的だ。

 株式取引の規制緩和・自由化という観点からは、カンボジアの方がベトナムよりも進んでいる。カンボジアはWTO加盟の先輩国である。ただし、自由な金融証券市場が自国の経済発展に貢献するかどうかは別の問題である。国民の財産を外国に切り売りするような事態が望ましいのかどうか? この問題には議論の余地がある。私見では、ベトナムよりもカンボジアにおいて、このような懸念は大きい。

 両国における金融証券市場の構造や実態の比較は、より一般に発展途上国もしくは移行期(国有から民間に企業形態が転換する)経済における金融市場の知見を新たに提供するであろう。これは研究論文として興味深い。ここではアイデアだけを披瀝しておきたい。

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