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2007年9月26日 (水)

「パラダイム」の相違?

 後期の2年生のゼミの教科書として、ライトワークス監修、岡本義行+江口夏郎著『クリティカル・シンキング』(ファーストプレス、2007年、1200円+税)を使用することにした。

クリティカル・シンキング (ライトワークスビジネスベーシックシリーズ) Book クリティカル・シンキング (ライトワークスビジネスベーシックシリーズ)

著者:岡本 義行/江口夏郎
販売元:ファーストプレス
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 同書は、最近の若いビジネスピープルや大学生の論理力を鍛えるための好著である。ただし、ただ読むだけでなく、同書で学ぶ「クリティカル・シンキング」の応用が大事なのだから、具体的な事例を何度も取り上げて、その考え方を体得するようにしなければならないだろう。

 最初の部分で興味深い指摘は、パラダイムを強く意識して他人の意見を聞き、また自分の意見を言うということである。このパラダイムとは、ものの見方、考える枠組みのことである。

 ここで私見では、意見の相違パラダイムの相違を区別することが重要である。たとえば、自民党の総裁選挙における福田さんと麻生さんにパラダイムの相違はあるのか? 両者の間には確かに意見や政策の相違はあるが、パラダイムの相違はないように思われる。では、自民党と民主党はどうか?

 少なくとも、意見交換・議論して妥協点を見つけ出すためには、パラダイムが同じであるという前提が必要である。上記の書物によれば、「どのようなパラダイムでものを見るかによって、何が正しいかが決まる。パラダイムを定義せずに何が合理的か、何が論理的かをいうことはできない。」(p.11)と指摘されている。

 パラダイムが異なる人との意見を戦わす場合、相手のパラダイムそれ自体を明確に示すことをしなければ、結局は意見のすれ違いになって時間が無駄になる。パラダイムが相違し、場合によっては間違っているということまで指摘して、初めて議論の論点が明確になり、多くの人々に判断材料を提供することができる。

 以上、抽象的なことを書いたが、具体的には北朝鮮の拉致問題や、日本の国内政治における「テロとの戦い」や「格差の是正」といった争点となっている問題を想定した。簡単に軽く書かれた本のように見えるが、なかなか考えさせられる内容をもっている。

 

 

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