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2007年8月12日 (日)

ハノイの「モワァー」とした感覚

 日曜日で旧知の人々に会った。まず、和津田撃夫(わつだ・うつお)さんは健在だった。約1年ぶりの再会だ。もっともハノイのベトナム日本人材センター(VJCC)やノイバイ空港で少しお目にかかったことはあるが、お話をするのは久しぶりだ。

 和津田さんは左手と足がご不自由で、杖がなければ歩行が困難。障害者手帳をお持ちである。今年で63歳になられた。日本での煩わしい生活から逃れ、ベトナムで第2の人生を始めたい。このような理由で、JETROハノイの2代目所長の朝倉さんのご紹介もあり、私がハノイ生活の最初の道案内をさせていただいた。

 これが2000年だから、もう7年間が経過した。和津田さんの仕事は当初から日本語教師。日本語を無料でベトナム人に自宅で教えておられる。大学生から社会人まで幅広い人たちを総数20名ほど自宅に集めて、週に数回の講義をされている。学生からは慕われておられるようで、さまざまな支援をしてくれるそうだ。学生にしてみたら、無料で日本語を教えてもらえるのだから、本当の恩師である。「先生のために何かしてあげよう」と思うのはベトナム人なら当然だ。こういう精神が日本人の学生には少なくなった。

Dsc09610  和津田さんは、大阪外国語大学インドネシア語学科を卒業されているから、英語を始め語学には堪能であるが、さすがにベトナム語は今でも難しいと言われている。しかし年に何度かの日本帰国以外のほとんどをハノイで単身赴任され、自活されておられるのは立派だ。ご自分の生活をハノイで確立されているようで安心した。ここでの自分の位置が確定したような印象を受けた。

 現在の住居は4階建ての家を全部借りておられて、家賃は月額200ドル。1階がリビング、2階がキッチン、3階が書斎と寝室、4階が教室として使用されている。各部屋にはエアコンもあり、なかなか快適なように思われた。ただ大きな通りから奥まっているので、自動車は入れない。これが難点だ。しかしバイクタクシー(=セオム)なら問題なく自宅前まで運んでくれる。ベトナムは何かと便利だ。

 つい先月に、やはりハノイ在住の小松みゆきさんの母上が認知症であるにもかかわらず、ハノイでお元気で過ごされていることを、小松さんの執筆された著書の書評を通して紹介した。それに加えて身体のご不自由な和津田さんもハノイで、日本より以上に生き生きと過ごされている。

 日本で忘れられた人情や思いやりがベトナムには残されている。湿度の高い暑い空気の中で、それに加えて人間の温かみも伝わってくるように感じた。この「モワァー」とした感覚がハノイの魅力だ。 

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