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2007年8月15日 (水)

ハノイの仕事

 午前中は、ベトナム現地法人であるITIP(国際投資貿易促進)有限会社を訪問。同社は、不動産投資や日本との貿易を目的にして設立され、「ロータス証券投資ファンド運用管理会社」にも投資している。その後、ポエメ(洋菓子製造販売)の鈴木さんと昼食をご一緒した。鈴木さんは昨日に紹介したハイハコトブキ前社長だ。私にとって1994年以来のベトナム研究の恩師だ。

 午後はJETROハノイの高野次長を訪問。最近のベトナム投資について意見交換した。日本からの投資金額は、昨年よりも今年は上半期の同時期で減少しているそうだ。この理由は何か? 私見では、次のように考えられる。

(1) 日系工業団地が満杯になった。
(2) 東西経済回廊が完成したと言うものの、その経済効果が発揮されるには時間がかかる。
(3) WTO加盟によって投資優遇策がなくなった。
(4) 組み立て産業を支持する「すそ野産業」が未だ不完全であり、その相乗効果が早急に期待できない。
(5) これまでの企業進出の増大に伴う賃金上昇・人材不足・離職率上昇・労働争議の発生は、その後に続く日本企業の進出を躊躇させている。
(6) いわゆる「第2次投資ブーム」とみなされる大手企業の大型投資や再投資が一巡し、それに続く中小企業の投資に移行している。
(7) シンガポール・韓国・中国などの投資も増加し、オフィスビルなど不動産価格が上昇している。

 以上は、それぞれ検証が必要である。さらに高野さんによれば、ベトナム直接投資の優位性が明確でなくなってきた。WTO加盟によって中国とタイから低い関税で製品が輸入できる。わざわざベトナムで直接投資して生産する理由がない。確かに私見でも、特に南部で見られる賃金や離職率の上昇は、中国やタイに対するベトナムの優位性を確かに減退させている。

 これらの投資減少の理由は、ベトナム直接投資の障害要因とみなされる。その克服やその見通しはベトナムの発展にとって重要課題であり、別途に検討される必要がある。

 ここでは、特に大卒の優秀な人材の存在を強調したい。少なくとも日本人大学生よりも一般に流暢な英語を話し、短期間の日本語習得の能力も高い。さらに基礎学力を大学で十分に習得している。だからこそ日本におけるベトナム人留学生の採用を希望する企業は増加している。このように考えれば、少子高齢化・人口減少に直面する日本が持続的発展するための「切り札」がベトナムとみなされる。

 日本人と親和性の高いベトナム人が、日本の強力なパートナーとなる。このような長期的な視点を持てば、上述の障害要因の克服は時間の問題だ。思い切った日本側の投資決断が全体の投資環境を改善する。

 午後の最後に貿易大学の敷地内にあるVJCC(ベトナム日本人材協力センター)の小樋山所長にお目にかかり、ベトナム人人材のお話を伺った。小樋山さんには、いつも親切に対応していただいて感謝である。そのお話と表情から発散されるベトナムとベトナム人に対する貢献の熱意に私はいつも圧倒されそうになる。

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