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2007年7月10日 (火)

ハノイ貿易大学タム先生の来学

 本日、東京大学と法政大学の外国人客員研究員として来日中のハノイ貿易大学のタム先生が流通科学大学を訪問した。お嬢さんは京都大学大学院経済学研究科の博士前期課程に留学中。ベトナムの知識層を代表する家族である。

 タム先生とは、共同研究の打ち合わせをした。また、彼女の研究テーマである人材育成についての意見交換をした。ここでのキーワードは、「暗黙知」と「形式知」の円滑な交換ということだろう。

 たとえば自転車の乗り方を教える場合、ベトナム人が日本に来て、その乗り方の講義を受けて、たとえそれを丸暗記したとしても、ベトナムに帰って自転車は乗れない。日本またはベトナムで自転車に実際に乗って、場合によっては転倒して、その繰り返しの結果として乗り方を体得することになる。

 ベトナム人は一般に優秀だから、以上の乗り方はすぐに理解する。しかし、その実践には時間が必要だし、そのためのノウハウがさらに必要かもしれない。これが「形式知」から「暗黙知」への転換だ。理論や知識から応用・実践への転換と言ってもよい。

 ベトナムの人材育成において、この転換が最大の障害であると思われる。この障害を克服する実践例の臨床的な収集が求められる。そこから一般的・普遍的な人材育成の要点が導出されるのではないか。

 タム先生には、「比較企業論」という私の講義で対談形式の講義をしていただいた。私が質問し、それにタム先生が答える。それに私がコメントする。このような型式の講義だった。私自身、すでに数百人の人々にインタビューをしている。いわゆる「聞き取り調査」だ。この経験を生かした講義は、私にとっては新鮮だった。

 この中で、タム先生は子どもの頃、米軍の爆撃を避けるために農村に「疎開」したことや、ドイモイ以前の配給制の実態を話された。これは生々しい証言だった。今の大学生は、どのような印象を持ったであろうか。

 尊敬するタム先生の研究成果に期待したいし、その助力ができることを私は光栄に思う。

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