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2007年6月28日 (木)

「トヨタベトナム」がトヨタ全社をリードした:なるほどそうだったのか!

 ハノイ近郊のビンフックにトヨタベトナムの工場がある。初代社長の長谷川さん以来、何度か訪問し、お話を伺ったことがある。また、1998年に「東アジア経営学会」がハノイ国家大学で開催されたとき、同社からご寄付を賜ったこともある。

 このトヨタベトナムの生産システムが注目され、日本本社から何人ものトヨタ関係者が見学に来ていることは以前から知っていた。過剰な設備投資をしないで減価償却費を節約し、その設備機械の代わりに従業員が手作業で対応し、利益確保を優先する生産システムと理解していた。

 今日、、大学院の「国際地域市場研究特論」という講義で、次のような論文の指摘を発見した。トヨタ全社にとって、トヨタベトナムは重要な役割を果たしていたのだ。

 1996年、生産量が極少であるベトナム・トヨタでのカムリの生産において、内側固定式治具を用いたラインが開発された。そして、こうしたラインが需要変動、多品種化に柔軟に対応しつつ固定費の低下をもたらすことが着目され、1997年、プリウスの生産に応用するために日本国内の工場に輸入された。1998年以降、GBL(引用者注:Global new Body Line)と名付けられたこのラインは、ヴィッツの大量生産ラインでも用いられた。その後、GBLは、生産量に関係なく適用可能であるため、生産規模が大きく異なる全世界の工場へ展開していった。、

 引用:小松史朗「トヨタ生産方式と技術・技能・フレキシビリティ」日本経営学会『日本経営学会誌』第15号、2005年、p.66。

 現在、世界のトヨタ工場で普及している生産システムの起源がベトナムであった。このような生産が可能である要因は、企業特殊的熟練と論文では指摘されている。熟練を要する人材が、この生産には不可欠なのである。ベトナム人従業員は、十分にトヨタの期待に応えたとみなされる。

 機械設備の導入でコスト削減することと、高コストの多品種少量生産に対応することは、大きな矛盾である。それを解決するために、「人と機械の柔軟な分業」が考案された。この世界のトヨタの生産方式を先導した工場がベトナムであった。恐るべし、トヨタそしてベトナムである。

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