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2007年6月19日 (火)

ビジネスには「相性」が重要:ベトナムにおける今後の懸念材料

 ベトナム企業と日本企業が取引する場合、それらの企業間の「相性」の善し悪しが、その後のビジネスの進捗状況に影響する。

 ベトナム企業が熱心であるにもかかわらず、日本企業がゆったり構えている。他方、日本企業が早く仕事をしたいと考えているのに、ベトナム企業の優先順位が低い場合がある。こういう状況は「相性」が悪い。

 しかし、たとえば私にベトナム講演の依頼があったとして、たまたま、その日に大学で講義があれば、その依頼を断ることになる。この場合、「残念ながら次の機会に」と双方が納得して、両者の関係は継続する。取引企業間で仕事量の多寡や変動があるということだ。これは、特に「相性」が悪いということではない。タイミングが偶然に合わないのだ。

 会社の「相性」とは、仕事における取引先に対する「姿勢」の問題である。通常、日本企業が仕事をベトナム企業に依頼する場合が多い。したがって、日本企業がベトナム企業に合わせる必要がある。こちらがお金を出しているのだから、何でも迅速に対応するべきだ。こちらの言うことが最優先だ。確かにそうであるが、相手のベトナム側にも事情がある。

 顧客第一主義。顧客満足を追求する。顧客の価値創造。これらは日本で通用する発想だが、ベトナム人は頭で理解していても、なかなか実践を伴っていない。だからこそ、ベトナムは発展途上国なのだ。だからこそ、日本に比べて賃金も安いのだ。

 賃金が安いから発展途上国ベトナムと取引しようとしているにもかかわらず、その発展途上のベトナムの状況を理解しない。日本の感覚のままで、ベトナムやベトナム人に接する。これでは、おそらく「相性」は絶対に合わない。この背景には、発展途上国に対する「蔑視」が存在しているのかもしれない。対等の取引ではなく、下位の取引先としてベトナム企業を見ている。

 日本企業とベトナム企業は相互にパートナーであるべきだし、その交流の中から日本側の先進性をベトナム側に移転していく。「金を払っているのだから、言うことを聞け」は国際ビジネスでは通用しない。その国に固有の文化や伝統があり、民族の誇りもある。それらを尊重しなければ、けっして相互の理解は進まないし、ビジネスの「相性」は改善されない。「世の中、お金がすべてではない」。かつて留学中に、ベトナム人によく聞かされた言葉だ。

 国際ビジネスにおける上記の「姿勢」は、これまでの日本企業では問題視されなかった。大企業の進出が多く、国際ビジネスにふさわしい人材がベトナムに送り込まれていたと考えられる。これに対して、最近は国際ビジネスに精通していない人々の進出が増えてきた。いわゆる中小企業のベトナム進出だ。今後、こういった「相性」の不適合問題の発生が懸念される。

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