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2007年6月10日 (日)

ベトナム「証券法」を読んで(4):証券会社とファンド管理会社の仕事と外国投資ファンドの留意点

ベトナム証券法によれば、証券会社と証券投資ファンド運用管理会社の仕事は、次の第60条と第61条によって規定されている。

第60条 証券会社の経営業務
 1.証券会社は以下の経営業務の一つ、一定数、またはその全てを行うことができる:
   a) 証券の仲介;
   b) 証券の自己売買;
   c) 証券の引受;
   d) 証券投資コンサルタント;
 2.証券会社は証券の自己売買業務を行う際に、証券引受業務のみを行うことを許される。
 3.証券会社はこの条第1項に定める経営業務以外に、財務コンサルタントサービスおよびその他の財務サービスを提供することができる。

第61条 ファンド管理会社の経営業務
 1.ファンド管理会社は以下の経営業務を行うことができる:
   a) 証券投資ファンドの管理;
   b) 証券投資ポートフォリオの管理。
 2.この条第1項に定める経営業務は、ファンド管理会社の設立・活動許可証にまとめて記される。
 3.ファンド管理会社は、この条第1項に定める業務以外に、ベトナムへの投資目標を有する外国投資ファンドの導入と管理を行うことができる。

上記の第60条第2項は、換言すれば、証券会社が自己売買を行う場合、証券売買の仲介や証券投資コンサルティングが禁止されていることを意味している。このことは、インサイダー取引の禁止が意図されている。

第61条は、すでに本ブログで紹介している「ロータス証券投資ファンド運用管理会社」の活動を規定している。ここでの第1項・a)における「証券投資ファンドの管理」とは、「ファンドの運用」という意味を含んでいる。また、この「管理」には、ファンド組成の意味も含まれている。いわゆる「管理」は、英語で言えば、「マネジメント」の意味であり、その意味は幅広い。

以上のほかに、証券会社とファンド管理会社の最低資本金や人材育成などの規則が国家証券委員会によって規定されている。これらの条文を逆に読めば、これら以外の会社は条文に規定された業務はできないということである。

第61条によれば、いわゆる外国投資ファンドの導入と管理の仕事は、ファンド管理会社の仕事であり、それ以外の会社は同様の業務はできないことを意味している。たとえば日本で資金を募集すれば、それは外国投資ファンドである。それを導入と管理できるのはファンド管理会社だけである。そうでなければ、わざわざファンド管理会社を認可する必要もなくなる。

外国からの送金内容をベトナム当局は認識できない。その資金の源泉が外国投資ファンドか、法人もしくは個人の資金かは判別されない。このようにしてベトナムに流入した外国投資ファンドは、本来は61条のファンド管理会社が引き受け、証券会社を通して投資される。しかし、認可を受けていないベトナム企業が「受け皿」となることも可能であろう。

しかし、これは違法であると思われる。外国投資ファンドの不法なベトナム導入だと私は思う。たとえば資金源が外国投資ファンドであることが判明すれば、この時点で違法性が顕在化する。この立法の趣旨は理解できる。外国投資ファンドとなれば、その資金量は大きい。それを無認可の会社が運用することは、そのファンドの受益者のリスクを高めることになる。そこで何らかの問題発生前にベトナム政府が規制する。これは当然だ。

このような正規のルートを通さない「外国投資ファンド」の資金が大量に流入するからベトナム株式市場は「バブル化」すると考えられる。この意味でも、政府規制が必要だ。

ベトナム株式投資ファンドは最近になって注目されているが、ベトナムの事情を十分に知らない日本人投資家は、このような投資ファンドに十分に注意したほうがよい。ベトナム政府による規制リスクが発生するかもしれない。

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