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2007年6月 4日 (月)

ロータス社提供「ベトナム経済ニュース」(9):投資ファンドの制度改革

 ホーチミンから早朝に報告する。日本の「体内時計」が有効のために、ベトナム時間で午前6時前に起床してしまう。この時間から朝食までが日本では考えられない「余裕の時間」である。以下、ハノイで仕入れた最新情報を紹介しよう。

 現在、ベトナム株式投資の個人口座の開設は日本人が最も多いと言われている。また、外国人投資ファンドについても日本の募集は好調のようだ。

 投資ファンドには大別して、100%の「外国投資ファンド」と49%までが外国人の「合弁ファンド」の2種類があった。前者は、外国人の個人投資家と同様にベトナム企業に対する投資は49%、金融機関に対しては30%の株式取得に制限されていた。他方、後者は、ベトナム国内投資家と同様にみなされ、これらの制限がないと考えられてきた。

 しかし、国家証券委員会が発表した新しい証券規制によれば、上記の「合弁ファンド」であっても「外国投資ファンド」とみなされることになった。株式取得の制限がないことが魅力であったが、それがなくなった。残された「合弁ファンド」のメリットは、ベトナム国内投資家も参加するために、戦略的パートナーとしてより有利な条件で株式取得できるといったことになる。

 また「合弁ファンド」の優位性は、外国人投資家とベトナム人投資家は、それぞれの利害を共有するために、ここで外国人とベトナム人は新たな関係を作ることができる。その関係が、新たなビジネスや投資の機会を生む可能性がある。特に外国法人や金融機関にとっては、文字通り、今後のベトナムにおける戦略的な事業展開を考慮した投資が可能だ。

 さらに草案の段階であるが、ベトナムで組成された投資ファンドであっても、外国人が自由に購入できるようになると言われている。つまり、かつての「合弁ファンド」の規制であった49%しか外国人が投資できないという規制が撤廃される。ベトナムで組成する投資ファンドに外国人でもベトナム人でも自由に投資できる。その代わりに前述のように、そのファンドは外国ファンドと同様の制限があるということだ。

 このように「合弁ファンド」については、規制の強化と緩和の双方が適応される。これは、ベトナム人個人投資家を投資ファンドに誘導する政策であると私は考えている。個人投資家の「衝動買い」と「狼狽売り」や、過度に投機的な投資を抑制するためには、長期的な投資ファンドを受け皿にすることが適当と国家証券委員会は判断しているとみなされる。

 また、国家証券委員会は、株式市場の健全な発展のために外国投資機関の駐在員事務所を通した株式投資を禁止することを発表した。これは当然だ。こういった行為が容認されるなら、国家証券委員会の認可を受けて指導に従っている既存の証券会社や投資運用管理会社は、その営業を妨害されることになる。不法で過剰な資金流入を防ぐことが、株式市場の健全化に貢献する。

 今後、このように変則的な投資の規制強化が予想される。これまでは法律が整備されていなかったので可能であった株式取引が、次第に規制の方向に進むと思われる。そのことで、過剰な投資資金の流入を抑制し、市場のバブル化を防ぐ。これまで可能であった株式取引は「合法的」ではなく、ただベトナムに法律がなかっただけである。新興市場の株式取引について、このような留意点が指摘できる。

 たとえ現在のベトナムで可能であっても、やはり日本の常識が通用する行動をすることが株式取引に限らず、一般に重要である。 

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