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2007年6月 8日 (金)

ベトナムと中国の経済改革:比較研究

 先日の訪越で、次の著書(英文)を購入した。

 Le Huu Tang & Liu Han Yue, Economic Reform in Vietnam and China: A Comparative Study,Nha Xuat Ban The Gioi、2006.(レ=フー=タン、リュウ=ハン=ユ著『ベトナムと中国における経済改革:比較研究』テゾイ出版社、2006年。)

 これは待望のテーマだ。経済社会改革においてベトナムは中国を参考にしていると言われて久しい。しかし、両国の類似点や相違点がより体系的に記述されたことはなかったように思う。

 たとえば中国の株式市場は「バブル」と指摘され、その崩壊もありうると言われている。では、ベトナム株式市場はどうか? 中国もベトナムも社会主義を志向する国であるが、両国における「所得格差」の拡大は、どのような社会的な影響があるか? これらは、両国の経済改革を比較する場合の現代的な課題である。これらを検討する場合のヒントとして同書は不可欠な文献である。

 同書の目次は次のようになっている。

      第1部 ベトナムの経済改革
 第1章 ベトナム経済改革に関する国内的・国際的な状況
 第2章 ベトナム経済改革過程における教義の改革
 第3章 ベトナム経済改革:成果と課題
 第4章 1996年以降のベトナム経済改革の政策
      第2部 ベトナムと中国の改革理論の比較
 第1章 ベトナムと中国の経済改革を先導する国内・国際状況の類似点と相違点
 第2章 中国とベトナムの改革理論の比較
 第3章 ベトナムと中国の経済改革の比較
 第4章 ベトナムと中国の経済改革の発展志向の比較
      第3部 経済関連事件の年表
 付録1 ベトナム:1975年~2000年の経済事件の年表
 付録2 中国経済の簡単な年表(1978年12月~2001年12月) 

 ベトナム人研究者によって表明された見解は、一読に値するとみなされる。これまでも、こういった研究書や研究論文という形式でベトナム共産党の見解が発表され、その一般的な反応を探りながら、その後に政府の政策として確定されることが多いと言われてきた。この意味では、対中国に対するベトナム政府の見解の一端を理解するために同書は注目される。

 同書を大学のゼミ生と一緒に読んでみようと思う。ベトナムについてだけなら、研究志向のやや偏狭な教材だが、中国との比較となれば、より一般性をもっている。また順次、このブログでも内容を紹介してみよう。

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