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2007年6月14日 (木)

ベトナム「証券法」を読んで(5):外国投資ファンドの留意点(再考)

 ベトナム証券法の第61条は、すでに説明したように「投資ファンド管理会社」の仕事を説明している。これを虚心に読めば、外国投資ファンドの導入は、国家証券委員会の認可を受けたファンド運用管理会社しかできないはずだ。これは、前回のブログで指摘した。

 しかし現実には、外国投資ファンドが、「取引コード」(ベトナム株式取引をする場合に法人・個人を問わずに必要な「身分証明書」のような番号)さえ所有していれば、ベトナムで運用されている。確かに、「証券法」を読めば、ファンド運用管理会社以外の投資家が、外国投資ファンドを運用することを禁止しているわけではない。

 国家証券委員会には「ジレンマ」がある。外国投資を増加させて、株式市場を発展させることと、株式市場の過熱を沈静化することだ。いわば、アクセルとブレーキの双方の調整をしなければならないのだ。このような場合、曖昧な証券法の下で、実際の運用・規制は現実の合わせて柔軟に対処する。これが最善の方法だ。自由にブレーキとアクセルを踏み分けることができるからだ。

 このように考えれば、現在はアクセルを踏んでいる証券政策が、ブレーキに踏み換えられることも想定しなければならない。これが通常に指摘される投資ファンドの「規制リスク」と呼ばれるものだ。政府の規制の変更によって、投資ファンドの運用が制限されるリスクである。

 現在、ベトナム投資ファンドが任意組合の型式で募集することは比較的簡単だ。ベトナムという成長性のあるイメージや、手数料の安さだけで投資決定してはならない。現地の実情を知らない投資家に対して、こういった制度的なリスク開示は詳細に行われるべきだ。今は大丈夫でも、将来は不透明。こういう投資ファンドに要注意だ。

 一般に、株式はリスクの高い投資である。それに加えて新興国では、上述のような制度的なリスクが存在する。この制度的なリスクの高低は、現地の事情を熟知していなければ認識できない。それだからこそ、そういったリスクの情報開示が必要だ。再度、ベトナムに関心をもつ日本の投資家に注意を喚起したい。

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