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2007年5月24日 (木)

3つの禁句:見えた・わかった・知ってる

 昨日、「箕面船場ライオンズクラブ」の27周年記念の例会と懇親会があった。余興でリチャード=シブヤさんのマジックショーがあった。シブヤさんはテレビにも出演経験があるそうだ。軽妙な話術は、さすがにプロだ。

070523_18560001_1   そこで手品の禁句は、表題の3つということだ。「見えた」、「わかった」、「それ知ってる」。さらに最悪は「それ持ってる」。手品のネタを持っているという意味だ。これらは、たとえそう思っても、言ってはダメな言葉だそうだ。

 大学の講義やその他の講演会でも、「それ知ってる」とか「それ見た」は困る。最近、ベトナム経済やベトナム株式に関する講演依頼が増えているが、同じ人が何度も熱心に参加していただく場合がある。このような「上田ファン」には大いに感謝しなければならないのだが、このような場合、「それ知ってる」・「それ見た」ということが多い。これは講演者としては当惑し、申し訳ない気持ちになる。

 残念ながら、同じ演目を何度聞いても魅力があるというような「芸域」に私は未到達である。ただし、かつての私の大学生時代、神戸大学経済学部の故・置塩信雄教授の講義は、何度聴いても魅力があった。低音で抑制された先生の口調は忘れられない。私の漫談のような軽い講義では、何度聴いても楽しいとはならないだろう。

 1度限りの講演における内容構成は、非常に難しい。重複部分がないと、どうしても全体の話がまとまらないのだ。それに比べて講義は、それぞれの部分の講義の積み重ねであるから、話す内容は豊富で多様にすることが可能である。

 講演を重複して聞く受講生の方は、たとえ思っていても、「それ知ってる」・「それ見た」とは言わないでいただきたい。マジシャンのシブヤさんと同じ気持ちだ。他方、そう思っているのは講演者の方だけで、受講生は、以前の話を忘れている場合も多い。「これは前に話したけど、覚えてる?」と講義で質問して、ちゃんと答えることができる大学生が少ないことも事実だ。

 結局、雑念を排して、その時々にベストを尽くすしかない。いろいろ気にしていると、何もできなくなってしまう。受講生のために自然体で話す。これが一番だ。

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