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2007年5月 9日 (水)

ベトナム株式市場の懸念材料:マネーゲームの加速要因

 ロータス証券投資ファンド運用管理会社(http;//www.lotusimc.com)の情報によれば、ベトナム国内企業からの投資ファンドに対する応募が活発である。その規模も100万ドル単位。ベトナム企業の膨大な資金余剰を示しているのだが、問題がないわけではない。

 ベトナム国営企業では、経営効率化のために株式会社化が推進されている。ベトナム政府は、「親方=日の丸(ベトナムでは金星紅旗)」という緊張感のない経営体質を「民営化」によって変革しようとしている。経営改革によって、WTO加盟後の国際競争に打ち勝つことが期待されている。国営企業の株式会社化は政府の規定方針である。

 株式会社化は今後も進行し、その一般公開によって膨大な資金調達ができる。しかし、これは本来の資金調達の趣旨と乖離している。何らかの具体的な事業目的(新規工場の建設、研究開発費、海外進出など)のために資金調達が必要であり、そのために株式公開したり、増資したり、銀行融資を受けたりする。最初に経営課題があり、そのための資金調達が通常の順序である。

 これに対して現在は、最初に株式公開ありき。それに伴って資金が集まり、その資金運用のために投資ファンドに投資される。これは「マネーゲーム」そのものだ。現在、外国投資ファンドを通して外国資金が国営企業の株式に投資され、その国営企業がさらに株式に投資する。株価が過剰に上昇するはずである。

 株式投資ファンドに企業が投資することは、余剰資金の運用として容認される。しかしその前に企業は、生産設備や技術革新や人材育成に資金を投資するべきだ。その結果として企業成長の基盤が構築され、それが企業収益および企業価値を高める。そして株価が上昇する。これが、経済成長に貢献する株式市場の本来の機能であり、健全な株価の上昇である。

 ベトナム企業の資金使途に関する統計が入手できれば、株式市場における「マネーゲーム」の程度が分析できる。所有者別の株主分布などを含めた「法人企業統計」の充実と開示が早急に望まれる。、

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