« ベトナムとミャンマーを結ぶ「東西経済回廊」:最近の動向(中) | トップページ | ベトナム株式市場の懸念材料:マネーゲームの加速要因 »

2007年5月 8日 (火)

ベトナムとミャンマーを結ぶ「東西経済回廊」:最近の動向(下)

 東西回廊に沿った地域を開発しようとするベトナム政府の努力にもかかわらず、日本企業はあまり関心を示していない。予測できない道路事情、貧困なインフラ、長い通関手続きは、日本企業が躊躇する主な理由である。

 先の「ロジテムベトナムNo.2」の斉藤社長は、「ルート沿いには街灯がない。夜は真っ暗で運転はかなり危険だ」と述べる。確かに、ラオバオには一社も日本企業は設立されていない。その理由には、インフラが悲惨な状態のままであり、下水道は全領域をカバーしていないことがある。また医療施設がないので、そこへの配置転換を労働者は嫌がる。

 取り扱い貨物のための大きな容量はあるにもかかわらず、ベトナム第3の都市ダナンの港湾の改善と拡大は現在進行中である。日本の国際協力銀行によって融資されたプロジェクトの進捗は、予期された取扱量よりも低いために遅延している。

 「施設の平均操業率は、50%未満である。われわれは、貨物取り扱い需要が上昇するまで、拡張を遅らせなければならない」とダナン港のグエン=スアン=ズン副所長は指摘する。

 これらの要因のために、内部関係者は次のように述べる。回廊が日本企業を中部ベトナムに引き寄せるようにするハノイの努力が実を結ぶまでに、どのくらいの時間がかかるのかを予想するのは困難である。

 前述のズン副所長は指摘する。「われわれは、東西経済回廊を十分に利用して、貿易ルートを発展させなければならない。いつの日か、そのルートは(航路経由で)日本にまで延長されるであろう。しかし、そのためには時間がかかる」。

 以上、ベトナム側から見た東西経済回廊の取材結果を紹介した。この回廊の利用が増加するためには、ベトナムのみならず、タイやラオスの適切な対応も必要となってくる。たとえば通関の簡易化がそうである。

 また以前に構想されていたダナン港にラオスの通関施設を設置し、内陸国ラオスが港湾をもてるようにすることが再検討されてもよい。私がラオス滞在中の2001年頃は、こういった計画が表明されていたが、現在は立ち消えになっているそうである。これは、ベトナムにとってメリットはないが、交通量や貨物量の増大には貢献すると思われる。

 ダナン港のズン副所長の指摘は妥当であり、インフラ整備や経済発展には時間がかかる。しかしベトナムの発展の速度は異常に早いと考えられる。あのホテル事情が悪いと10年前に言われていたハノイには、今や5☆ホテルが立ち並び、その客室数も不足している。東西経済回廊の発展には確かに時間がかかるが、それは意外と短期であるかもしれない。

|

« ベトナムとミャンマーを結ぶ「東西経済回廊」:最近の動向(中) | トップページ | ベトナム株式市場の懸念材料:マネーゲームの加速要因 »