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2007年4月22日 (日)

金融取引の自由化と自己責任原則の徹底:「私募」ファンド募集で考える

 私が関係するベトナム現地法人「ロータス証券投資ファンド運用管理会社」では、現在、投資資金を募集している。そのために昨日は東京のセミナーに出席した。また明日は、大阪のセミナーが開催予定だ。これらは「私募」だから、参加者は主催者の知人・友人に限定されている。

 このセミナーの趣旨は、参加者で相談してベトナム投資ファンドの投資条件を決めようということだ。したがって完成した既存の投資ファンド販売の説明会ではない。私は、ロータス社の現状を正直にお話した。そして会場からも率直な意見や質問が出された。それは、このようなセミナーの趣旨に合致していると思った。新会社の設立準備の説明会のような印象であった。

 これまでの金融商品は、大手の信託銀行や証券運用会社が組成した投資ファンドを証券会社の営業力で顧客に販売するという方式がほとんどだ。しかし、それに満足しない顧客が増えてきた。顧客の情報収集力が、インターネットの普及と共に飛躍的に改善・向上したからだ。おそらく証券会社の営業担当者よりも、顧客の方が「情報通」という分野が増えているのではないか。

 既存の投資ファンドの利回りに満足できなければ、自分で投資ファンドを組成すればよい。もちろん一人では無理だから、そういった同じ意図をもった人々が資金を出し合って新しい投資ファンドを私募で組成する。これこそが投資ファンドの本来の存在意味だ。これは、今までは無理だと思われてきたが、インターネットはそれを可能にするインフラを提供してくれる。

 昨日、ファッション業界のSPAの動向を紹介した。同様のことは、金融業界にも当てはまるのではないか。顧客=投資家の「リスク感受性」に対応した投資ファンド商品が多様に用意される必要があるし、顧客=投資家が自らで私募ファンドを組成できるようになればよい。

 顧客=投資家の個々のニーズに合致した金融商品、顧客=投資家を第一義的に考えた金融商品が発売されても不思議でない。これまでは、そのために「リスク管理」を万全にするという名目で、大手金融会社の「ブランド力」に依存してきた。もちろん、少なくない管理手数料を支払わなければならない。しかし「リスク管理」という点では、これだけグローバル化が進展しているのだから、現地を訪問して運用担当者に直接面会して、いろいろ質問してもよい。これも一種の「リスク管理」であろう。他人任せにしないで自分の眼と耳でリスクの大小を確認するのだ。

 安心して任せているはずの生命保険会社でも、保険金の不払いという不祥事が発生した。社員総代会では、経営陣の総退陣が要求されて当然だ。また、営業力に依存した金融保険商品の販売方式が改善されてもよい機会だ。金融業界の再編成は進んだが、それは大規模化による「規模の利益」追求という経営側の理由であり、必ずしも顧客のためではないと考えられる。それなら顧客側が、自分で金融商品を手作りしようと考えるのも自然の流れだ。

 本年度、新しい金融商品取引法が施行される予定だ。それによって、金融取引の自由化・活発化を期待したいし、その前提として、自己責任の原則が徹底・普及されることが必要だ。自己責任の意識をもった自立した投資家の出現。土曜日のベトナム投資セミナーでは、このような新しい動向の息吹を感じた。

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