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2007年4月 1日 (日)

ベトナム紹介の疑問点:テレビとインターネットのコラボレーションの提案

 日曜日・朝のテレビ番組では、毎日放送系「がっちりマンデー」と「サンデーモーニング」(特に「喝(カツ」)が、わが家の定番だ。

 この「がっちりマンデー」で、これから成長する国としてVISTAが取り上げられた。V=ベトナム、I=インドネシア、S=南アフリカ、T=トルコ、A=アルゼンチン。この中で東南アジアはベトナムとインドネシア。単純に考えて日本の近接性ということで考えれば、何と言ってもベトナムだろう。

 番組のベトナム紹介によれば、小学生の教育の中に「刺繍」の授業があるという。これは初耳だった。「ベトナム人労働者は手先が器用で目がよい」というのは、これが理由だったのだ。ベトナム政府は、外国に対する開放政策を進める一方、伝統文化を維持することにも留意している。たとえば英語だけの看板をハノイでは容認していない。ベトナム語の併記が必要だ。おそらく「刺繍」の授業は伝統文化の継承という政策の一環である。

 ベトナムの魅力は「人間」。テレビで語られた。勤勉で優秀。さらに粘り強い。これは先週の貿易大学における学生交流で十分に経験したことだ。このベトナムに投資するためには、株式投資ファンドということになる。番組では、このブログでも取り上げた「ノーロードファンド」の戸松氏が写真で取り上げられていた。公共放送で放映して大丈夫なのだろうか。私見では、おそらく大丈夫なのだろう。ノーロードファンドは、全体として株価が上昇している局面で大きな問題は生じない。私見では、下落・調整局面や売却時における不確実性が高いということだ。

 さらに番組では、「ベトナム証券口座開設ツアー」を紹介していた。これも放映して大丈夫なのだろうか。実際には、すでにブログで紹介したようにサイゴン証券では、毎月の口座維持料が15ドルから100ドルに値上げされている。この番組を見て、口座開設しようという人に対してミスリーディングな情報提供だ。ベトナムが個人投資家を抑制し、過度の株価高騰(=バブル現象)を抑制しようと検討している時期に、この番組は、その逆を報道している。近い将来に、株式売買益に対する課税強化の懸念もあるのだ。

 視聴者の興味を引いて同時に低コストの番組制作。そこから提供される情報の正確性。この両立は、最近の関西テレビ「あるある大事典」でも大きな社会問題になった。限定された時間内での面白くて的確な報道が望ましいが、その実現には困難が伴う。

 そこで以下の提案だ。テレビとインターネットのコラボレーション(共創)。テレビでは、できるだけ一般の視聴者にわかりやすく、さらに興味を引く内容にする。注意を惹起する。啓蒙的な内容にする。問題提起する。そして、さらに詳しく知りたい人に対しては、インターネットで詳細な情報を提供する。

 このようなシステムが本格的に普及するためには、テレビとインターネットが相互リンクできるようなハードの開発も必要だろう。しかし現時点で少なくともできることは、番組のHPを充実させることだ。この「がっちりマンデー」の場合、番組の最後に「この番組で紹介した内容について詳しく知りたい方は、番組のホームページをご覧下さい」と言えばよいのだ。それにふさわしい充実したホームページを作成しなければならないが、そこからも広告収入が期待できるだろう。

 以上、ともかくベトナムに関心が高まることは喜ばしい。最近の乱戦模様のベトナム=ビジネス状況では、スピードが重要。長期戦略を考えながら、スピーディな意思決定。そうでなければ、絶好のチャンスを逃してしまうことにもなりかねない。特に、これまでのベトナム経験者(私も含めて)は、このスピードに順応しなければならない。1年に1回か2回という従来のベトナム訪問では最近のスピードに間に合わない。

 この意味で今年度も、ベトナム短期出張が多くなるだろう。私にとって東京の隣がハノイであり、ホーチミン市だ。もっとも講義や会議の合間を縫っての訪問だ。短期にならざるをえない状況がある。これが「実学」追求の辛いところだ。

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